読書感想:中卒探索者の成り上がり英雄譚2 ~2つの最強スキルでダンジョン最速突破を目指す~

 

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:中卒探索者の成り上がり英雄譚1 ~2つの最強スキルでダンジョン最速突破を目指す~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 異能を用い日本の社会の裏で暗躍する一族の生まれでありながらも追放され、探索者として苦汁をなめ。その果てにヘキサという謎の存在に力を授けられ、あっという間にトップクラスの探索者へ。前巻で主人公であるハヤトの身に起きた事を簡単にまとめるならばそんな感じとなるであろう。ではあっという間のランクアップは何を招くのか。それは避けられぬ注目。そして成り上がると言うのは何を招くのか。それ即ち、責任の増大である。

 

 

「今の『はい』は疑問なんだが?」

 

前巻の騒動から暫し時間が経過し、気が付けばヘキサとの出会いから一月。シオリのサポートを受け最前線に向かう為に勘を戻そうとする中。ハヤトの元に舞い込んでくるのは、Aランク探索者の義務である弟子育成。自分の仲間に弟子にしたい人もいないので公募で求めると言う形にして、それで終わる筈であった。

 

 だが、厄介事はやはりハヤトを放っておかないのか。皆で訪れた焼き肉屋で、両親の離婚と母親の蒸発により、自分よりも酷いかもしれぬ貧困生活を、年を誤魔化して倍としながら送る少女、澪(表紙右)と出会い弟子にすると決意し。だが同時期に公募で、ロロナ(表紙左)という少女が弟子となる事となり、期せずして彼は二人の師匠になってしまったのだ。

 

ハヤトも中々、探索者としては曲者で問題児。しかしこの二人は、更に輪をかけて問題児なのである。

 

そもそも素早さ以外のステータスが終わり気味、更には基本的に持っている筈のスキルすら持たなかった澪。

 

対照的に、最初から規格外級の魔法使いへの適性を持ちながらも、モンスターを思う心によって、モンスターを殺せぬロロナ。

 

適性も素質も正に正反対、そしてハヤトはこの前までは底辺の探索者。だがそれでも、頑張らなければと決意を新たにし。学が無いなりに指導したり、逆に澪から回転寿司について教えられたり。新たな仲間を加え賑やかになっていく日々。

 

しかしそこへ不穏が忍び寄る。ハヤトの実家からやってきた妹、アマネを見てロロナは何故かおびえた様子を見せ。語られぬ彼女の事情を聴く間もなく、ハヤトに恨みを抱いていた者により澪が誘拐される事態が巻き起こる。

 

何故そうなってしまったのか。それはハヤトの過去、まだ家に属していた際に取りこぼしたミス。そこに何が絡むのか。それは、実は追われる者であったロロナの事情。

 

「だから徹底的だ。徹底的にお前を打ちのめす」

 

―――そんなものは知った事ではない。大切なのは只一つ。敵は大切な弟子達を傷つけた、その事実だけ。ではやるべきことは只一つ。清算も兼ねて徹底的に終わらせる事、それだけである。

 

異能方面にも話が深まり、さらに世界が広がる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

中卒探索者の成り上がり英雄譚 2 ~2つの最強スキルでダンジョン最速突破を目指す~ (HJ文庫 し 11-01-02) | シクラメン, てつぶた |本 | 通販 | Amazon