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読書感想:Re:RE-リ:アールイー- 1 転生者を殺す者 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、この巻は上下巻構成である所の下巻である。つまりは一巻と二巻、合わせて一つの作品であり、この巻も合わせて一つの大きな物語が始まる巻なのである。
では、今巻では一体、どんな争乱が待っているのか。その答えは言うなれば、前巻にも増した大戦。再び圧倒的な戦いが繰り返され、英雄達がいとも簡単に、それこそあっけなく死んでいく巻である。
『勝利のため! 自由のため! 戦え、死すべき人の仔よ!』
『アイギストスがともに歩もう』
降臨した最強の転生者、シデン。古き伝説の英雄、プロドディスの身体を用いて復活した転生者の英雄、ユージーン。だが、人々は決して折れない。何故ならば彼等にはアイギストスが共にいるから。まるで某鉤十字の国の指導者が如く、アイギストスことデイルはその背中と戦いの様を以て扇動し、人々は彼に駆り立てられ、その背に続き戦いを続ける。
が、しかし。混迷を深める戦場を一手でひっくり返す、誰にとっても予想外の闖入者が戦場へと降臨する。その名はプロドディス。ユージーン二度目の敗北により空白となった肉体を奪い取り降臨した、まさしく伝説、その当人。
圧倒的な力で転生者達を蹂躙し。更にはデイル達もまるで羽虫であるかのように叩き潰し。彼の目の前でぬえを攫い、転生者から奪ったスキルで消えていくプロドディス。
そう、もうお分かりであろう。今巻の敵、それは目の前にいる確かな脅威である転生者ではない。誰も予想しえなかったところから現れた、神話世界の伝説。そして彼と共に復活した七名の伝説の部下達である。
対するこちらは、デイルとシドを旗頭とする旅団の強者達。そして、現状を自身の手で変える事を望んだ、転生者の有志達。
正しく、昨日の敵は今日の友。決戦の舞台は、プロドディスが向かった先、転生者達の本拠地、塔京。
デイルにとっては、いつか辿り着く事を切望していた地。だが、今は娘を助け出す。その為に伝説の英雄を叩き潰す。人間だからこその「英雄」の力で。
英雄対英雄、英雄対転生者。 前巻とは色を変え、けれど根底は変わらぬ幾つもの命があっけなく散り、火花と血が迸る死闘に次ぐ死闘。
だが、それ故にこそ熱い。一大戦記であり、王道ど真ん中であるが故の面白さ。それが更に駆けあがるのが今巻だ。
「行くぞ。レッドガルドを取り戻す、最初の一歩だ」
だが、まだ何も始まっていない。ここからが本番。多くの仲間を喪い、けれど若き世代は今芽吹く。何も取り戻していない、決着すらもつけていない。だからこそ、ここから全てが始まるのである。
前巻を楽しまれた読者様、王道ど真ん中のファンタジーが好きな読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
Re:RE-リ:アールイー- 2 転生者を殺す者 (オーバーラップ文庫) | 中島リュウ, ノキト |本 | 通販 | Amazon