読書感想:英雄と賢者の転生婚2 ~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:英雄と賢者の転生婚1 ~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様であれば、主人公とヒロインコンビであるレイドとエルリアの無双っぷりはもうご存じであろう。英雄と賢者、その力は正に最強であり、当代で勝てる者なし。故にこの作品においては、二人は最後の切り札であるべきである。ではこの作品において成長すべきは誰であるべきか。それはウィゼルやミリスといった、周りの者達である。

 

 

「―――お前だったら、俺の『剣術』を教えてやれそうだ」

 

「僕は強引に貸しを作らされた挙句使い走りにまでされるのかッ!?」

 

前巻でレイドたちに絡んできて、あっけなくぶっ飛ばされたファレグも何だかんだと再び関わることになり。その呑み込みの良さにレイドが思わず本気になって教え込んでしまったり、王都を散策していく中で田舎者だけど意外な才能を見せて調子に乗るミリスに使い走りにされたり。まるで軍隊式のような訓練や、ちょっぴりウザめな弄りを受けて。ファレグも少しずつ、彼等の空気に馴染んでいく。

 

そんな中、ひょんな事から彼等はセリオス連邦国の、知性を持ち魔術を用いる強大な竜、「護竜」と契約したルフスと関わる事となり。国の威信を背負っているようなものだからこそ、周囲の期待に押し潰されそうになりながらも健気に頑張る彼女と、エルリアがぶつかり合う事となる。

 

「おう、全部任せておけ」

 

 勝負の場、敢えて召喚術を用いて戦い、自身の召喚獣達の力を見せつけ。蟠りを解いたかと思った途端、ルフスの魔力が突如暴走を始め、呼び出された「護竜」達が何故かエルリアを狙い動き出す。既に対応する力は無し、絶体絶命。だが今は自分以上に信頼する彼がいる。その期待に応えるレイドは、護竜達とまるで遊び回る様に時間を稼ぎ。その間にエルリアは、ルフスを治療する為彼女の相棒である竜、ラフィカの力を借りて奇跡を成し遂げる。

 

だがしかし、謎は更に深まりを見せていく。エルリアを大好きな王女、クリス。その身に憑依し過去から会いに来た現在における世界の基盤を作り上げた偉人、ティアナ。彼女は第三者による転生への介入の可能性を語り、不自然に過ぎるエルリアの死にざまを説明し。更にはレイドの謎の力にさえも、未来が絡むような謎が生まれ出る。

 

更にはルフスの言から判明する、護竜達の意識を乗っ取った存在が語る、英雄より託された使命。だが英雄の国は、不自然に歴史から消されていた。

 

「動物が撫でられないなら―――わたしを撫でれば良いと思う」

 

 正に千年前の過去でも、今2人がいる現在でもなく、もっと未来から介入しているかのよう。黒幕の輪郭の一端は分かれど謎は増すばかり。だがきっと大丈夫であろう。何だかんだと甘々いちゃいちゃしている二人なら。

 

更に面白さ高まる中、謎が更に加速する今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

英雄と賢者の転生婚 2 ~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~ (HJ文庫) | 藤木わしろ, へいろー |本 | 通販 | Amazon