読書感想:コキ使われて追放された元Sランクパーティのお荷物魔術師の成り上がり ~「器用貧乏」の冒険者、最強になる~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は泣きっ面に蜂と言わんばかりに、次々と不幸に見舞われたことはあられるであろうか。次々と不運と不幸が連鎖して、死にたくなってしまった事はあられるであろうか。

 

ダンジョンが存在し、冒険者が存在するとある異世界。その世界の有名Sランクパーティに所属する魔術師の青年、ヴィト(表紙右)。

 

彼は今、パーティ追放の鬱き目に遭っていた。そして泣きっ面に蜂と言わんばかりに、次々と不幸に陥っていた。

 

追放された理由、それは「器用貧乏」と言われるほどに、数多くの魔法を使う事は出来れど、中級以上の魔法を使う事が出来なかったから。

 

そんなどうしようもない理由による追放に始まり、冒険者ライセンスの更新忘れによるライセンス失効、暴漢の襲撃、財布の盗難と次々と不幸が連鎖する。

 

その様は、某上条さんかとツッコミたくなるほどに。しかしそんな中、ヴィトは一人の少女と出会う。その名はエミリィ(表紙左)。嫌われ者の奴隷使い、ベンに使われる奴隷の少女である。

 

 

彼女を助けたいと衝動的に行動し。その結果として自らも奴隷へと墜とされてしまうヴィト。

 

奴隷という最下層への転落。正に千尋の谷へ突き落すが如し。だがしかし、一番下まで突き落とされたのならばもはや下はない。ならば後はどうすべきか。そう、後は獅子が如く上へと這い上がるのみである。

 

ベンとエミリィと共に向かうダンジョン。待ち受けているのは数々の強敵との死闘。

 

「―――俺は添え物で、パーティの足手まといで、器用貧乏かもしれないけど・・・・・・」

 

「元Sランクだ!」

 

自らの真価を問われる窮地の中、彼に秘められた真の力は目を覚ます。そう、まるで王道を進むかのように。

 

時にゴールデンスライムにエミリィが飲み込まれかけたり。時にベンがゴブリンキングに凌辱されたり。

 

そんな窮地続きの日々を過ごす中、エミリィと共に前へ進む為に。自分の身を取り戻すために。ヴィトは前へ一歩ずつ進んでいく。

 

 

これは、そんなお人よしでちょっとお馬鹿な青年が逆境続きの中、打ちのめされながらも一歩ずつ進んでいくお話である。正に容赦のない世界の中、それでも誰かの為に進んでいく。そんな様子と、どこか優しい者達が織りなす人間模様が厳しさの中に一抹の優しさを齎してくれるお話である。

 

割と容赦のない世界が好きな読者様。王道な異世界ファンタジーが好きな読者様にはお勧めしたい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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