読書感想:ようこそ『追放者ギルド』へ2 ~無能なSランクパーティがどんどん有能な冒険者を追放するので、最弱を集めて最強ギルドを創ります~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ようこそ『追放者ギルド』へ ~無能なSランクパーティがどんどん有能な冒険者を追放するので、最弱を集めて最強ギルドを創ります~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 この巻の感想を書いていく前に、この作品は一体どういう雰囲気で進む作品であると言うのかは、前巻の感想を参考にしていただくとして。画面の前の読者の皆様、こう考えられた事は無いであろうか? 前巻で仲間に引き入れた二人の少女は有用なスキルを持っていた。では、果たしてこの世界の全ての追放者は有用なスキルを全員持っているものなのか? そして、追放者を積極的に受け入れると言っているアイゼンも、見方によっては冒険者を選別している事にならないのだろうか? と。

 

 

そんな疑問に焦点を当て、彼等「追放者ギルド」の更なる成長と躍進、新たな戦いを描いていくのが今巻なのである。

 

前巻のボスとなった強敵、アクア・ヒュドラの討伐。その大戦果は「追放者ギルド」へ否応なく注目を集める結果となり、羨望も、やっかみも。あらゆる感情を引き寄せる鍵となる。

 

 そしてギルドの門を叩く新たな仲間の候補が二人。明るい元気印の新人、コレット(表紙右)。そしてヴィリーネを追放した因縁の相手である高ランク冒険者、サルヴィオ(表紙奥)である。

 

サルヴィオはともかく、問題はコレットの方である。何故ならアイゼンの「鑑定眼」を以てしても、コレットの隠しスキルは見えなかった。ただ見えなかったのではない、存在しなかったのだ。

 

だが受け入れぬ訳にもいかぬ。コレットを新たな仲間とし、サルヴィオコレットの指導役としてお試しで仲間にし。アイゼン達は新たな戦いへと挑んでいく。

 

「ステータス・スカウター」の開発者であり、選民思想の元凶でもある天才、ファウスト。アイゼンとある意味同じ穴のムジナである彼との、ギルド同士の決闘。

 

そんな大規模な戦いと、サルヴィオとの本気で向き合う全力の訓練。だがそれでもコレットの成長の兆しは見えず、けれど心折れそうになる彼女をサルヴィオは必死に向き合い支え、偽悪的な不器用な言葉で、まるで蹴飛ばすように背を押していく。

 

「キミはもう、弱いだけの冒険者なんかじゃないんだ!」

 

 結ばれていく不器用な師弟関係、それを引き裂くかのように死霊術士に操られ襲来する、古代竜の亡霊。弱点なんてない、不死身の強敵。

 

傷つき倒れる師匠、その瞬間目覚めるコレットの可能性。彼女の中に眠っていたスキル、それは大物喰い専用とも言える、心を受け継ぎ一撃必殺の奇跡を齎す、ある意味においての最強の力。

 

 前巻とは違い、スポ根もののような面白さもあり。そして独特の熱さを以て、更に面白さを増していく。今巻はそんな巻なのである。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱり追放ものが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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