読書感想:モブから始まる探索英雄譚5

 

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読書感想:モブから始まる探索英雄譚4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、こつこつとトライ&エラーを積み重ね、一歩ずつダンジョンを攻略していく、というあくまで日常×ダンジョンな一種のローファンタジーな今作品であるが、ここまで読まれてきた画面の前の読者の皆様も何となくはお察しであろう。主人公である海斗はどこまでも厄介事の神様に愛されているという事は。次から次へと予想外のトラブルに見舞われ、更には強敵と出逢ってばかり。そんな彼が、果たして友人達と言ういつもとは違うパーティ、で不運から逃げられるか、と言うと。無論、そんなことは無いのだ。

 

 

「お揃いって、これってどうなんだ」

 

真司や隼人といった友達たちとのダンジョン遠征。女の子ばかりのいつもとは違い、サーヴァント達を除けば男所帯な為にアホなノリも容易く成立し。気が付けば割と中二病満載な感じになりながらも、始まる遠征。

 

だが、やっぱり簡単にはいかなかった。簡単な筈だったダンジョン、だがいきなり遭遇するのは予想外の強敵。更にはシルとルシェの攻撃によりダンジョンの床に穴をあけてしまい、気が付けば誰も実力では及ばない、地下ニ十階層まで落下してしまったのである。

 

上に昇るのであれば下に降りなくてはならぬ。最短距離を往くならば行かねばならぬのは更に下の階層。真司と隼人を庇いながら、時にシル達の力も借り何とか生き延びながらも。ダンジョンの中で野営したりしつつ、何とか地上を目指していく。帰りたい人の元へ帰る為、そしてリア充になる為に(?)

 

何とか日常に回帰し、春香達に心配されて、続けて友人の恋を応援したり。ようやっと戻ってきたのは、元のパーティとの冒険。だがそちらの冒険も、やはり一筋縄ではいかぬ。新たな階層、其処に広がるのは魔物ではない野生動物もいる自然豊かな光景。そこで襲ってくるのはトレントや昆虫と言った、自然だからこその魔物達。

 

今日もまたトライ&エラー、戦力不足に悩む仲間に助言したり、ベルリアに二本の剣を与えて強化したり。徐々に戦力を強化していきながら、少しずつ冒険は進んでいく。

 

「そのうちもダメだから! 次から私も一緒だからね」

 

そんな中、無論ラブコメも忘れられている訳ではない。装備の補充に春香と行ってみれば、海斗のズレ始めた金銭感覚を危惧した春香が金庫番のように、一緒に来てくれることになったり。

 

更には久しぶりに両親と旅行へ行く中、春香との仲をずばりと指摘され。プライベートでは相変わらずのモブ感を、何とかしたいと思い立つ。

 

それは飛躍への一歩となるのか。海斗の道を開く光となるのか。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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