読書感想:全力回避フラグちゃん!2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:全力回避フラグちゃん!1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を楽しまれた読者様は、この作品が混沌としたコメディこそが主軸であると言う事はご理解いただけているであろう。実際の所、それは間違ってはいない。それどころか今巻では、更にその混沌が加速していくと言っても過言ではない。ではその舞台となるのは何処か。それは前巻で死亡フラグ達が閉じ込められたファンタジー世界なのである。

 

 

前巻とは違い、徹頭徹尾ファンタジー世界を舞台に繰り広げていく今巻。では画面の前の読者の皆様は、ファンタジー系の世界に於けるフラグ、というものはどんなものを想起されるであろうか。

 

 そんな事も踏まえて、今巻を読んでみていただきたい。皆様が想起されたフラグは、この巻の中に描かれているだろうか。それも楽しみにしながら読んでみてほしい次第である。

 

こんな事態に巻き込んだ黒幕から示される条件、それはこの世界にあるダンジョンの十階層、そこにいるボスを倒す事。その条件を満たす為に冒険者としてダンジョンを探索しながらも、フラグを立てある程度消化するとまた別の町でフラグを立てるモブ男を追い冒険を繰り広げる死亡フラグ達。

 

彼女達の目の前で、モブ男は今巻でも次々と様々なフラグをぶち立てていく。

 

仲間をパーティから追放する、というのは死亡フラグ

 

では異世界でネット通販ができたら、異世界で屋台を開いたら立つのは何フラグか。

 

恋愛フラグのちょっとしたミスで獣人になってしまった死亡フラグがモブ男にテイムされたり。ドМになってしまった面々に対し、死亡フラグがドSに目覚めたり。

 

様々なフラグをぶち立て、様々なドタバタの中で。徐々に迫っていく、黒幕の正体。モブ男に設定として渡されていた力から判明する、身近にいた黒幕の意外な正体。

 

「これは、俺が使う!」

 

 唐突に始まる最終決戦、敵の元で使役されるのは今までに様々なフラグを立てた、何人ものモブ男達。しかし、設定は変われど根っこのクズさは変わらないとでも言うべきか、モブ男の選択が更なる混沌を巻き起こし、彼の根底ともいえる愚かさが特大の死亡フラグをぶち立てて、最後はまるで風船がしぼむように、いまいち締まらぬ大団円へと繋がっていく。

 

これにて一件落着、そう言えれば良かったのか。しかし、フラグちゃん達の周りに既に新たな物語の芽は潜んでいる。死亡フラグを敵視する彼女は、ある意味で悲しきフラグ。

 

前巻よりもなおドタバタに、更に笑える面白さが増していく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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