読書感想:パシられ陰キャが実は最強だった件2

f:id:yuukimasiro:20220313214153j:plain

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:パシられ陰キャが実は最強だった件 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で王道ど真ん中、こってこてのラブコメを経て恋人同士となったアキラとシズカであるが、果たして恋人同士となった事で二人は平穏なラブコメへと移れるのか。そう気になられた読者の皆様、先にお断りしてしまおう。その想像は、叶わないと。犬も歩けば棒に当たる、名探偵も歩けば事件に当たる。では二人が歩けば何に当たるのか。その答えは一つ。予期せぬトラブル、ドタバタである。

 

 

初めてのデートは遊園地、ある意味鉄板とも呼べる流れ。待ち合わせから心ときめき、二人で歩くだけでもどきどきし。ようやく遊園地に到着し、意気揚々と楽しもうと心弾ませていく。

 

 が、しかし。不穏はすぐそばまで迫っていた。その主はこっそり尾行してきていた三バカトリオか。否。些細な誤解からシズカがこっそり逃げ出しこの遊園地にきていた財閥の御令嬢、シズハであると誤解され。何故か護衛のSP達に追われる事になってしまったのである。

 

遊園地中を逃げ回り、最後にはキレたアキラが全員ぶちのめし。何とか誤解を解きシズハとも仲良くなり。結果的に雨降って地固まる、そう言わんばかりに絆を深める二人。

 

けれど、一難去ってまた一難とはこの事か。シズハが探していた思い出の彼。その正体である、最近ヤンキー狩りで名を馳せていた少年、ジョウと関わることになり。何故か目を付けられぶつかり合う事になり、限界を超えた動きでぶちのめし。

 

シズハと釣り合う存在になるべくヤンキーの頂点に立とうとしていたというジョウを説き伏せ、シズハとの再会の場を設ける事になり。しかしそれを身勝手な逆恨みに燃えていた不埒者にかき乱され。誘拐の危機に見舞われたシズカとシズハを救い出す為、ジョウとの共同戦線を取り無数の群がる大人達を相手に大立ち回りを演じていく。

 

「アキラくん・・・・・・私より先に、いなくならないでね」

 

「―――約束する」

 

 自分を守る為に、いつだって無理をしてボロボロになって。そんな状況でも呑気に笑う彼を見て浮かぶ愛しさと悔しさ。もっと強くなりたいと。自分よりもずっと強い彼をちゃんと守りたいと、彼の中の危うさをいつの日か止められるようになりたいと。シズカの中に浮かぶ思いは高まり、恋を後押しする。それが狂騒劇の中、二人の絆をより高めていく。

 

前巻にも増して更にドタバタ、その中に更に熱さを増した面白さのある今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。