読書感想:全員覚悟ガンギマリなエロゲーの邪教徒モブに転生してしまった件3

 

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読書感想:全員覚悟ガンギマリなエロゲーの邪教徒モブに転生してしまった件2 - 読樹庵

 

 さてさて、孕み袋から生まれたオクリ―に帰る場所などどこにもなく。前巻、ファンキロを殺す、という分水嶺を踏み越えたからこそ最早進み続ける以外にはなく。しかし本編主人公は既に死亡、という致命的なストーリーの崩壊は既に発生している。故、最早オクリーの原作知識は役立つ、という状況を既に超えている。それでも進み続ける中、更なるカオスが巻き起こり、新たな力を手に入れるもより大波乱に突っ込んでいくのが今巻なのだ。

 

 

「アタシはオマエとの永遠だけが欲しい。それ以外の人間は全ていらないってこと」

 

セレスティアへの臓器の二次移植を試してみるも記憶の流入は起こらず、それどころか身近により混沌、より最悪な獅子身中の虫が生まれる。ヨアンナが導きだしたのは、二人だけの小さな世界を創る、その為に教祖様もケネス正教もアーロス寺院教団も、それどころか世界中全員殺し尽くし犠牲にする、という結論。止める事も出来ず、ヨアンナは、勝手にオクリーに心酔する教徒、アレックスまで巻き込んで。一先ず彼女を戦力として利用する為にも、その願いを受け入れて。向かうは北東支部。そこで待つのは原作キャラの一人、潜入を得意とする幹部候補、ホイップとの出会い。

 

警戒しつつも、新たな力を得る為にヨアンナと特訓したりと頑張るオクリー。だが彼をよく思わぬ者がいた。その名はカラテナ、ファンキロに心酔する自称一番弟子。彼女はオクリーが、ファンキロの死に関わっているのではないか、と疑い圧をかけてきて。無論そうであるので、誤魔化すも敵意は高められ。道を決定的に違える事に。

 

そんな中、始まるのは北方の街、ジェイド占領作戦。この作戦、状況はケネス正教に傾けるべき、とセレスティア以外を殺す為に動き出そうとするオクリー。だが、彼の前にカラテナに篭絡された信者たちが立ち塞がり、更には正教幹部の一手により作戦は筒抜け、状況は一気に予想外の方向へ。その中で遊撃隊隊長、ゲルゴロイにオクリーの裏切りは看破されてしまい、激突する事に。更にはヨアンナ達と合流した坑道でカラテナの策に嵌められ、一対一で激突し。何とか生き延びは出来たが、カラテナの道連れの策に嵌められて深淵へと叩き落とされる。

 

「・・・・・・やはりオクリー君は私を飽きさせませんね」

 

オクリ―の目論見は半分成功、半分失敗。ヨアンナの秘めた策だけが成る中、正教側にもオクリーの裏切りが伝えられ。聖都へと新たな物語が向かい始め、世界はより混沌に包まれていくのだ。

 

更なる狂気の勢力が出現し予想外の方向へ物語が転がる今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

全員覚悟ガンギマリなエロゲーの邪教徒モブに転生してしまった件 3 (GCN文庫 ヘ 01-03) | へぶん99, 生煮え |本 | 通販 | Amazon