読書感想:最強ランキングがある異世界に生徒たちと集団転移した高校教師の俺、モブから剣聖へと成り上がる2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:最強ランキングがある異世界に生徒たちと集団転移した高校教師の俺、モブから剣聖へと成り上がる - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、誰かにとっては悪であっても、別の誰かにとっては大切な相手、というパターンもあるのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。この作品においてもそのパターンは当てはまる。前巻、重人はジャイアントキリングを成し遂げ、ランキング二桁、天位と呼ばれる段階まで賭けか上がった訳であるが。進み続ける以上、人を切る以上、因縁は絡みついてくるものであり。そんな因縁にも立ち向かわねばならぬのだ。

 

 

そして、重人というこの世界に現れた新たな天位。そんな存在は否応なく注目されるのも当然であり。更にはその座を奪おうとするべく、更なる刺客が襲ってくるのが今巻なのである。

 

「・・・・・・酔えねえんだよ」

 

「私、ずっと先生と一緒にいたいんです」

 

前巻、重人が斬り捨てたカートンという男。その男と同じ血盟の一員であり悪名高き男、ゴードン。家族のような存在を失った事を嘆き、その後かたき討ちの為に動き出そうとしているその裏で。結月からはずっと一緒にいたい、という思いを向けられ。その思いに戸惑いつつ、それでも向き合おうとする重人。しかし、この世界において一緒にいると言うのは簡単ではない。天位となった、それは追う者から追われる者へと立場が変わると言う事。 簡単に抜かされぬように、殺されぬようにするにはどうすればいいのか。簡単な話だ、もっと強くならねばならない。だからこそもっと修行に励まねばならぬ。

 

「いきなり斬りつけるなんて酷くない?」

 

そんな中、重人に訪れる一つの出会い。ちょっとだらしない、飄々とした態度を取りながらも確かな実力をうかがわせるレグレスという男。レグさんと呼んで、という気安い彼にペースを乱されながらも。更なる強敵を求め、遠征する事となる。

 

しかし、その遠征は徐々に波乱の予感を匂わせ始める。道中の旅は道連れと言わんばかりに集っていく冒険者たちは敵意を忍ばせ。更にそこに、かたき討ちの為にゴードンが襲来する。

 

「本気でやってくれよ」

 

人質に取られる結月、助ける為なら再びこの手を血に染める事になったとしても、躊躇わない。敵となるのは刀の天敵、岩を纏う力。切れないのならどうすればいい? 簡単な話だ。刀と言うのは斬るだけが本領に非ず。その力を生かす奥義で道を貫き通してしまえばいいのだ。

 

より世界観が深まり広がっていく今巻、前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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