読書感想:やり込んでいたゲーム世界の悪役モブに転生しました2 ~ゲーム知識使って気ままに生きてたら、何故かありとあらゆる所で名が知れ渡っていた~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:やり込んでいたゲーム世界の悪役モブに転生しました ~ゲーム知識使って気ままに生きてたら、何故かありとあらゆる所で名が知れ渡っていた~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 

 さて、前巻で謎の人物「漆黒」として、令嬢たちの間で有名になり段々気づかぬ間に外堀を埋められつつあるこの作品の主人公、カイであるが。今巻で少しは誤解が解けるのか、というとそんな事にはならぬ訳で。寧ろ無自覚な善行と大物感あふれる振る舞いでより誤解を振りまいていくのが今巻なのである。

 

 

「ふんぞり返ってばかりでは面目が立たない」

 

前巻、ぶっ壊してしまった橋。しかしカイのお屋敷にいる駐在さんのおかけで弁償の危機は免れて。それではちょっと面目が、という事で修復作業をしている作業員たちに差し入れをする事を思いつく。

 

「レミィが来たぞ!」

 

「烏滸がましいことではあるのですが、『わたし』でどうでしょう?」

 

しかしやっぱり、行く先々で誤解にぶち当たり積み上げていくのがこのカイ、という男である。差し入れを買いに店に行ったら、前巻で助けた一人、商業機構長の娘、レミィが押しかけてきて一緒に行動する事になり。後日彼女が遊びに来たら、姉であるポルカ(表紙右)もついてきて。レミィの夢を応援する為、貴重であるはずの万能薬を一つあげたら、受け取ってもらう為に融資、という形になり。レミィの我が儘に付き合っていたらポルカに素顔を見せることになり、彼女の心をひきつけて。彼女とのフラグも、意図せぬうちに立っていく。本人の知らぬところで。

 

「嫌なわけがない。繋げるなら嬉しい他ない」

 

「えへへ、今日はもう幸せな日になりました」

 

そうとは知らず、カイは自分なりにこの世界を楽しもうとしていく。しかし、その前に何処に行ってもヒロインに出会う。街の外に少しだけ出てみれば、あいさつ回りから帰る途中だったリフィアと出会い、二人で街を巡ってみることになったり。教会に寄付に訪れたら、ニーナと出会って素顔を見せることになったり。カイが歩けばフラグに当たると言わんばかりに、どんどんと気が付かぬ間に網の中、外堀は気が付かぬ間に埋めたてられていく。

 

「周りを誤解させるような真似をしたことは必ず悔い改めさせるから」

 

だがまだ彼は知らぬ、今までで一番であろう危機が動き出したことなど。勝手に勘違いされている所属先、帝都の諜報組織、「ヴェルタール」。その一員でありカイ達の住んでいる辺りを管轄しているレイラ(表紙中央)はとうとう動き出す。「漆黒」に落とし前を付けさせるために。

 

いよいよ面倒なことが動き出す中で世界が広がる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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