読書感想:エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、例えばこの作品のように逆らえぬ運命を改変するという作品において、どのような困難が予想されるであろうか。例えば運命の修正力。確定した未来へ向かわせようとする、神の意思とでも呼ぶべき様な展開。例えば未知なる歴史。本来の歴史の流れをゆがめてしまうからこそ、全てが知らない方向へと進んでいくような展開。枚挙にいとまがないかもしれないが、確かなことが一つある。その答えはある意味簡単。運命を改変すると言う事は、例え事前知識があるとしても、その知識は遠からず役に立たなくなるという事であると言えよう。

 

 

そのような場合に問われるのは何か。それは恐らく人間性。事前知識では決して得られぬ個人の人間性が問われていくのである筈である。

 

 そんな状況に、この作品の主人公であるレオルドは既に追い込まれている。死亡フラグが確定していたところをへし折って、確定していた死を覆してしまった以上。もう進むしかないのである。

 

「貴方が過去に傷つけた人達は、貴方が何かを成せば苦しむ羽目になる」

 

「どうしてもっと早くに変われなかったのかと」

 

そして既にレオルドは罪人である。彼が何かを成す以上、その変化に苦しむ者は確かにいる。そして真人ではなくレオルドがやらかしてしまった事だとしても、今の彼はレオルドである以上、その罪は真人のものであり、決して拭えやしない。

 

それでも進む為、ゼアト領を任されてしまった真人はレオルドとして、古代遺跡の探索を計画し部下と共に調査へと乗り出していく。目的は一つ、超古代からの遺物である遺跡と遺跡を繋ぐ転移魔方陣。掌中に収めれば多大なる利益を齎す切り札となり得るもの。

 

 だがしかし、それは新しい未知の歴史を開いてしまう合図。転移魔方陣に関わると言う事は、元から転移魔法を研究していた最強の魔術師、シャルロット(表紙右)と関わるフラグが立ってしまうという事。

 

そして真人はまだ知らぬ。彼の知識量が、未来の知識でもある事から徐々に怪しまれだしているという事を。そして多大なる功績をあっという間に積み立ててしまったからこそ、世界中が彼に目を付け、狙いだす事を。

 

既に時は迫っている、彼を中心に世界が動き出す時が。その萌芽の時はもうすぐそこ。そして始まり出すのである。

 

前巻からは少し落ち着き、ラブコメも絡めながら世界を広げる中で物語を溜めていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

エロゲ転生 運命に抗う金豚貴族の奮闘記 2 (オーバーラップ文庫) | 名無しの権兵衛, 星夕 |本 | 通販 | Amazon