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読書感想:本能寺から始める信長との天下統一6 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、世はまさに大海賊時代、なのはワンピースである。しかし、日本が鎖国を行い限られた外国のみと付き合い内に閉ざしていた頃、世界では何が起きていたのかと言うと大航海時代である。未だ見ぬ大地を求め、大国より船出した船が艱難辛苦を乗り越えて未知の世界を目指した時代であり。先住民族との間に痛ましい激突の事態も数多く発生した、夢と血にまみれた時代であると言ってもいいのかもしれない。
が、しかし。この作品の状況は画面の前の読者の皆様ももうお分かりであろう。天下を取ったのは家康でも秀吉でもなく、我等が信長様である。
そして、かの信長様が日本一国で満足するようなお方であるだろうか。否、そんな訳はない、と、いうわけでここから始まるのはこの作品における新たな部、いわば信長様の諸国漫遊記である。
前巻で朝廷を抑え、更なる役職として右大臣の位を拝命し。国元を後継に任せ海外に飛び出していった信長様とは対照的に、国内に残った真琴は更なる産業改革と、前巻で併合した樺太の改革を進めていく。
しかし、樺太にて待っていたのは真琴にとっては望んでいた、しかし予想外の事態。前巻で出会い、半ば秘密裡に契りを結んだアイヌの娘、トゥルックが懐妊し出産間近となっていたのである。
増える家族、愛する嫁。幸せなのは樺太か、それとも常陸か。アイヌの者達とのぶつかり合い、トゥルックの意思も確認しながら。新しい家族を得、認知し。冬を越え真琴は自分の国である常陸へと戻っていく。
だが、のんびりしている暇もそうはなかった。息つく間もなく信忠から告げられたのは、信長様が行方不明と言う一報。本来の歴史であれば、未だこの時代においては関わっていない筈だったオーストラリア大陸。かの大陸の併合に向かった信長様を探し、艦隊を率い大海原へと乗り出していく真琴。
オーストラリアの手前、パプアニューギニアに間違えて上陸、占拠しようとしていた信長様を見つけ合流し、もう歴史が変わってしまうのはやむなし、だからこそ乗り遅れるわけにはいかぬと、オーストラリアに乗り込んでいき先住民族であるアボリジニと交渉し、オーストラリア大陸を支配下におさめる。
「あぁ、滅茶苦茶忙しい人生になってきたな・・・・・・」
隠居している暇なんて在りはしない、最早賽は投げられた。もう立ち止まることは許されぬ。だからこそ、ここからが本当の新章。世界とのかかわり、が始まるのである。
新たな章の開始と言わんばかりに、大きく世界の広がる今巻。
シリーズファンの皆さまは是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
本能寺から始める信長との天下統一 7 (オーバーラップ文庫) | 常陸之介寛浩, 茨乃 |本 | 通販 | Amazon