読書感想:夢見る男子は現実主義者 8

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:夢見る男子は現実主義者7 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で私は今巻こそが渉と愛華の本番か、と書いたが先に言ってしまおう。どうもそんな事はもう少し先であったらしい。この事に関して愛華を責める事は出来ないであろう。今回彼女は、渉に蚊帳の外に置かれていると言っても良い状態なのだから。それは仕方ないにしても、置いて行かれているのは、彼女がまだ渉の心に手が届いていないという事。彼女がまだ、周回遅れであるという事を示しているのかもしれない。

 

 

では今巻では一体、何が起きているのか。文化祭というのは、悲喜こもごも。ラブコメにおいては何かが起こり得るものである。そして、まだまだラブコメが始まったばかりな今作品においては何が起きるのか、というと。事件の方である。

 

文化祭二日目、前日においては後輩たちと回る事になったことで、二日目は愛華や圭と回る事となり。2人を写真に写したり、文芸部で今までの受賞作品にちょっと戦慄を抱いたり。そんな中で、裏のメインイベントであるファッションショーが始まり。八百長もなく、実力によりお嬢様系の一年生、茉莉花(表紙)が優勝をもぎ取る。

 

「―――涙まで、似合う必要はないんじゃないですかね」

 

だがしかしその後がマズかった。サプライズで登場した楓を始めとする生徒会役員たちが話題を掻っ攫い、しかも茉莉花にとって楓は恋敵であり。自暴自棄になって襲撃しに来たあげく自信を傷つけようとした茉莉花を止める為、渉は自分からその身を傷つける事を選んでしまったのである。

 

当然、それは愛華や深那達には全く事前に報告していないもの、当然病院に運び込まれているので、連絡が出来るわけもなく。結局のところ、事後報告になってしまい、入院する事は無かったものの、深那や愛華たちに心配をかけ悲しませる事となってしまう。

 

「私たちを、ちゃんと向き合わせてくれた」

 

そこに追い打ちをかけるように、教室で発生していたとある問題。今までのパターンでは渉が解決に奔走していたかもしれない。しかし彼は今、怪我により動く事が出来ない。ではどうするべきか、彼は自分よりはむしろ深那の方が解決に適任であると信じ彼女に解決を託し。臆病を越えて不器用にでも奔走し、深那は解決に奔走していく。

 

その経験を通じ、深那の中でも気持ちが動き出し。対照的に、既に気持ちは動き出しているも今までの積み重ねにより中々察してもらえない愛華は大胆な一手を仕掛ける。

 

少し謎が増え、更に恋が動き出していく今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

夢見る男子は現実主義者 8 (HJ文庫 お 06-01-08) | おけまる, さばみぞれ |本 | 通販 | Amazon