読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる? - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、男嫌いという固く閉ざされた扉の先に待っていたのはちょっと歪で重い愛で、そんな愛を飲み込み受け入れられるほどの渇きが隼人にはあって。前巻で与え合う事を望んで亜利沙と藍那の美人姉妹と同時に恋人になった訳であるが。恋人同士となったのならば、一体どんな事が起きるのか、という事であるが聡い画面の前の読者の皆様ならもう何となくお分かりであろう。

 

 

 

「本当にいつもありがとう、二人とも」

 

隼人が一人暮らしをしている家に、亜利沙と藍那が訪ねてくるのも当然になって、三人で食卓を囲むようになって。学校ではまだ、明かすことは出来ないから空き教室で秘密の逢瀬を重ねてみたり。恋人同士として少しずつ愛を深めていく中、亜利沙と藍那は更に彼を愛に飲み込まんと積極的にスキンシップを仕掛けてくる事で、隼人の理性は危うく死にかけ、頭の中では幾度目かの天使と悪魔の争いが巻き起こる。

 

 そんな二人と母親である咲奈も交え、冬休みがやってくる。今までは一人、それが今は四人となって。寂しいなんて思わせない、という宣言通りに更に甘やかされ愛される冬休みが来る。

 

 

クリスマス、藍那と亜利沙が隼人の家に泊まる事になって、大胆なプレゼントに危うく理性が崩壊しかけたり。

 

初詣、これからも一緒に、という願いを告げて、藍那が安産祈願の御守りを買うという気が早い行動を起こして慌てたり。

 

「頼りにならないなんてことはありませんよ」

 

賑やかで幸せな日々の中、咲奈もまた動き出す。母性と言う姉妹では持ち得ぬ魅力を武器にして、彼女なりに彼を甘やかそうと仕掛けて来て。更に隼人は押されていく。

 

 

だがしかし、好きであるからこそ、恋人同士であるからこそ不安になる事もある。前巻で仄めかされた元カノ、愛華の存在。同じ市内に住んでいるから、遭遇する事も少しずつ出て来て。面倒な男子に絡まれている彼女を助けた事で、姉妹を不安にさせてしまったりもする。

 

「まあ、俺たちにそんな心配はないだろうけどな!」

 

それは姉妹のやきもちもあり、隼人が思わず誤魔化してしまったという、彼氏としての未熟さもあり。けれどやはり、絆の根幹は揺るがない。

 

それどころか、愛華からの説明で誤解も解けて、揺らぎの期間が終わった事で、その愛は更に深まっていく。お互いがお互いしかいない、それが三人分。そんな当たり前を再認識して、より絆を深めていくのである。

 

甘さ溢れる恋路が更に深煎りされ、恋人同士となった事で更に甘さで胸やけがするかもしれぬ今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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