読書感想:ガリ勉くんと裏アカさん2 散々お世話になっているエロ系裏垢女子の正体がクラスのアイドルだった件

 

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読書感想:ガリ勉くんと裏アカさん1 散々お世話になっているエロ系裏垢女子の正体がクラスのアイドルだった件 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 

 さて、前巻で始まった勉と茉莉花の、まずは友だちから始めていく秘密を共有する関係であるが。この何気ない、しかし言い換えてしまうと中途半端、とラブコメ的には言えるかもしれない関係を動かすには何が必要なのであろうか。そこから一歩動かすには、やはり脱却、今まで縋っていたものから卒業する、と言うのが必要であるのかもしれない。

 

 

 

しかしそこに行きつくためには、まずはお互いをもっと頼れるようにしなければいけない。お互いにもっと縋れるようにしなければいけない。その辺りに触れていく巻なのである。

 

『友だちって何なんだろうな?』

 

親友である史郎に一般論として問いかけてみて、返ってきたのは茉莉花の他の友達とは違って見える、だけどその関係の名前は自分で決めるしかない、という答え。その答えに、改めて自分の中の彼女への思いを考える中。台風が接近し、折しも茉莉花が帰宅困難となってしまうと言う問題が発生し。彼女のお願いで、勉は彼女を家へと泊める事となる。

 

泊まる事で茉莉花は初めて知る。勉が一人暮らしである事、意外と自立していると言う事。彼の料理の腕に驚いたり、着れる服がなくて扇情的な服装をする事となってしまったり。色々な悲喜こもごもが有ったりする中、勉の義妹からの電話を切っ掛けに、茉莉花は彼の抱えているものに触れる事となる。

 

「口に出せてよかった。言葉にできて良かった」

 

抱えていたもの、それは宙ぶらりんになった心。母子家庭で育ち、母親に恩返しをする為に頑張ろうとするも、母親の再婚によりその切っ掛けは奪われ。結果として自分で勝手に納得し抱え込んでしまって。それを明かせたことで、勉の心は少しだけ軽くなる。

 

だがしかし、新たな波乱はすぐ側に。台風明け早々、唐突に茉莉花の裏アカの流出という問題が発生し。気丈に振る舞うもやっぱり傷ついていた茉莉花は自分の殻に閉じこもり。彼女の為に、今度は勉が向き合う。

 

「俺はお前を否定しない。お前がお前のことを嫌いでも、俺はお前が大好きだ」

 

傷つく彼女のその裏、隠れていたのは意外な真実。そこにあるのは、ただ心配して欲しかったと言う心。その心を汲み取り、否定しないと真っ直ぐに告げて。二人の心は、必要を越えて。本当の意味の絆で繋がっていくのである。

 

これから色々大変かもしれない。だけどこの二人なら。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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