前巻感想はこちら↓
読書感想：『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。３ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻の刊行はいつであったかと言われると、一年と半年前である。この作品もまさか打ち切りを食らったのではないだろうか、と思われた画面の前の読者の皆様もおられるかもしれないが安心して欲しい。この巻の感想を書いているという事は、無事に刊行されているので。ではこの作品の（多分）最終巻である今巻では、何を描いていくのか。
そも画面の前の読者の皆様はこの作品に何を求めておられるだろうか。下手なシリアスなどは求められていないだろう。この作品に求められているのはきっと、際限のないいちゃいちゃの筈だ。何も考えず、ただ甘さを何処までも煮詰めていくのがこの作品であり。それは今巻でも変わらないのである。
「もっと自信持ちぃや」
「私、明日から本気出しますっ！」
学校紹介の為のパンフレットの被写体に未仔と夏彦が選ばれいちゃいちゃしたりする中、少しずつ近づいてくるのは文化祭の季節と、進路相談の季節。まだまだ少しだけ自信が持てぬ夏彦とは真逆に、未仔はもっと夏彦の彼女として自信を持つために本気を出すことを宣言し。いつもよりもさらに大胆な服装をしてみたり、更には抱き枕になってみたり。思わず一線を越えそうになりながらも越えずに。けれど、昨今のラブコメの流行の一つである性行為までいかずともこんなに甘いとでも言わんかのように。際限なくいちゃいちゃは高まっていく。
そんな未仔の思いを受けて、何も思わない夏彦ではない。彼女が頑張ってくれるのなら、自分だって頑張りたい。巡ってきた文化祭本番、未仔のクラスの出し物でいちゃついたりお化け屋敷で思わずお姫様抱っこしてオバケ役の嫉妬を招いたり。周囲に砂糖をばら撒いていく中、恒例イベントであるカップルコンテストへ二人で出場する事を決める。
さて、どうなってしまうかはもうお分かりであろう。下手なカップルよりもバカップル、どころか最早カップルの究極形。そんな二人がコンテストに何か出たら、一方的な蹂躙に他ならぬという事だ。出番が来る前に何組ものカップルを棄権させ、本番ともなれば圧倒的ないちゃつきで他の追随を許さずに。場の空気を支配し、他カップルに諦観を植え付けていく。勝利は揺るがぬ、では見せ場は何か。
「一生どころか、何度生まれ変わっても一緒にいたいです！」
それは只一つ。決戦のお題である彼女への思いの告白。今叫ばずにどうする、我慢もプライドも蹴っ飛ばせ。心から叫ぶのは、溢れんばかりの愛。恋どころかその先まで駆け抜けていくという宣言。
「えへへ、宝物が増えちゃいました♪」
だからきっと、これからも二人で作る宝物は増えていく。その全てを抱えて未来へ、どこまでも歩いていくのである。
ドタバタで明るく、けれど終始、カップルとなった二人が世界一幸せになっていくまでを描いた今作品。最後まで甘く、何処までもド正直である。
最後まで皆様も是非、楽しんでいただきたい。
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