読書感想:魔法少女ダービー II

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前巻感想はこちら↓

読書感想:魔法少女ダービー - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻の感想でも少しだけ触れた事であり、画面の前の読者の皆様は前巻を読まれた読者様であると言う仮定の下にここから話していくわけであるが、「ダービー」というのは文字通り「ブラッドスポーツ」。血で血を洗う、そしてより血を収れんさせていくスポーツなのである。なので某ウマ娘のキャラ達の夫婦関係での繋がりを調べてみると、意外と驚くような組み合わせが多々出てきたりするものである。閑話休題。さて、前巻で妹達の願いを胸にもう一度、二周目の世界へと飛んだホノカであるわけだが。果たして、簡単に世界と言う物は変えられるものなのであろうか?

 

 

「もう一度やり直そう」

 

二周目の世界へ飛び、再び月一と再会し、伝えるべき真実を厳選して伝え。未来をピタリと当てて見せながらも、中々彼の信用を得る事は出来ず。しかし、花翠との繋がりから何とか信用を得、再び自身の母親とも再会するホノカ。

 

 だがしかし、まだ何も解決など出来てはいない。打倒するべきバグはまだ姿を見せず、それどころか約束の証である林檎の樹が位置を変えていたりと、一周目の世界とは違う些細な違いが降り積もり出す。そんな中、月一達の目の前で起きた、とある女性ジョッキーの落馬事件。彼女自身の起こした行動ではないかと言う世間のバッシングを解決する為、動きだす月一達。だがしかし、その事件こそが引き金となり。新たな運命は一気に流転を始めていく。

 

姿を現さぬノゾミ、再びフラグの成立により姿を現す双子。その出現はズレれど、それはホノカが望まぬ結果。

 

静と凪の過去の映像、その中にあった何者かのメッセージ。次に現れる娘を殺せ、そのメッセージを仕込んだのは誰か。

 

再び姿を現すバグ、それに追随し現れるノゾミ。舞台が流転するにつれ見えてくるのは、第三の勢力の介入。その行動が先んじる事により、ノゾミに存在していたアドバンテージは失われていく。

 

バグを追う追跡劇のその裏で行われる魔法少女達のレース。自らが生まれる未来を確定させる為、月一には内緒でぶつかり合う少女達。

 

「これはエピローグなのかプロローグなのか?」

 

「わからない。でも、前回と比べたらそんなに悪くないんじゃない?」

 

 その先、バグと思しき少女との激突。その先に待っているのは驚愕の真実。全ての元凶はそこにいる、全ては複雑に絡まった運命を、「彼女」の手で見事に誘導されていたと言う事実のみ。

 

だからこそ、これで後顧の憂いはなくなった。故にこそここからが本番。魔法少女達の、己の存在を賭けたレースはここから始まる。

 

これは次へのプロローグか、それとも終わりのエピローグか。

 

それでも願えるのならば、続きを読みたい次第である。

 

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