読書感想:ひきこもりの俺がかわいいギルドマスターに世話を焼かれまくったって別にいいだろう?2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ひきこもりの俺がかわいいギルドマスターに世話を焼かれまくったって別にいいだろう? - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の主人公であるヴィルが引きこもりとなってしまった経緯は、前巻を読まれた画面の前の読者の皆様はご存じであろう。よく考えてみると仕方のない事かもしれぬが、それはそれとして未だに働かぬのは、ヴィルの元来の根っこがぐうたらな性格であるからかもしれぬ。だがしかし、一度立ち上がってしまった彼の元には様々な事件が持ち込まれるのは明白であり。例にも漏れず、新たな事件がやってくるのが今巻なのである。

 

 

前巻の騒動から少し時間が立ち、町に雨季のお祭りが近づく中。前巻の騒動の結果、再び魔王ではないかと言う疑惑をかけられたヴィルは心が壊れたと嘯き、再びテンション低く引きこもりの日々へと戻っていた。

 

 が、やっぱり父親にハルバート片手に追い出され。アーニャ達の待つギルドへ向かう中、ヴィルは一人の少女と出逢う。その名はエヴァ(表紙左)。黒猫を連れる何処か不吉な印象を持たせる少女である。

 

出会いに何かを感じながらも、オバケヤマネコの巣からキノコを持ち帰ったり、幽霊の噂が立つ古城の捜査に駆り出されたり。そんな中で改めてエヴァと知り合い仲良くなり。しかし、ちょっと笑える幽霊騒動の裏にはとんでもない事態が潜んでいた。それは幽霊なんて可愛いものではない、寧ろ怨霊レベルで危険な敵。

 

 その名はバギー。高潔なる高名な騎士でありながら冤罪をかけられ処刑され、怨みのあまりに怨霊へと身を墜とした悲しき幽霊。恨みを晴らすために子供を攫い喰らう彼の手により、アーニャを始めとする子供達は纏めて誘拐されてしまい。救助のためにヴィルは知り合いであった今代の聖女、エーデルワイスたちと共にバギーの住処、あの世とこの世の狭間へと乗り込んでいく。

 

あの世とこの世の狭間、待っているのはバギーとその配下である死霊たち。しかし、待っていたのはそれだけではない。エヴァの交霊術により呼ばれ助太刀に現れたのはアーニャの母、アンジェリーナ。在りし日の姿を取った彼女がアーニャに伝授したかった技でアーニャを救い。

 

「ああ、越えていく。なにせ俺は、魔眼の勇者って呼ばれる英雄だからな」

 

そして最後を彼女に託され。ヴィルはかつての伝説の騎士を越えていく。子供達の期待を背負い、その期待に応える力で全てを終わらせていく。

 

前巻にも増して温かく、ほのぼのと賑やかな面白さのある今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。