読書感想:今日から彼女ですけど、なにか? 2.デートに行くのは当然です。

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前巻感想はこちら↓

読書感想:今日から彼女ですけど、なにか? 1.一緒にいるのは義務なんです。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様は、中々に癖のある語り口が見所とも言えるこの作品に乗り切れたであろうか。ここからは乗り切れた、という前提の下でこの感想を書いていくのでご承知いただきたい。では今巻は一体、どんな展開が待っているのだろうか? ラブコメというジャンルの二巻において、よくある展開とは一体何であろうか? 答えは波乱と新たなラブコメの始まりである。

 

 

そう、画面の前の読者の皆様ももうお分かりであろう。一対一のラブコメという昨今よく見かけるジャンルであれば、新たな波乱はそんなに起こったりせず、新たな恋敵候補が出てきたとしても、いつの間にかその想いに決着がついている事が多い。しかし、この作品は一対一ではない。故に、新たな波乱とそこからラブコメが連鎖的に発生していくのである。

 

前巻の騒動から早一か月。何とか退学も開始した春太と薫。一か月と言う時間が二人の心の距離を少しずつ変えてきているからか、薫も積極的に春太に話しかけて来たり、お弁当を作ってきてくれたり、と偽物と言う関係を少しずつ越え、彼に近づいてくる。

 

 そんなある日、春太は衝撃的な噂を耳にする。それは彼の憧れの相手である咲百合(表紙)が退学寸前という、とんでもない噂である。

 

どう考えても退学とは無縁そうな彼女は、何故か自ら恋愛事を避けていて。一体どういう事かと思う前、教師からの命令により、今度は咲百合とお試しで恋人関係となる事になり。

 

 期せずして訪れた、憧れの人とのニセモノだけど恋人関係。だが、舞い上がっている暇もなく、舞い上がっていられる余裕もなく。彼女に接近し、その心に触れていく事で春太は新たなる波乱へと巻き込まれていく。

 

何故か自分に接近してくる、咲百合とは正反対の小悪魔ギャル的妹、日向璃。

 

納得していたはずだったのに、何故かやきもちを見せ始める薫。

 

そして、外を見るだけで今まで知らなかった、見る事もなかった咲百合の内面。何故彼女は恋愛事を避けていたのか、そこに秘められていた真実。

 

「だがな、惚れた乙女が困っているとなれば、そこに助けないという選択肢はないのだ」

 

 全部を全部抱えられる程この手は広い訳でもない、精一杯で受け止められない事もある。だけど、それでも。惚れた女が泣いているなら、助けぬわけにはいかぬ。それこそが自身の掲げた青春の御旗に描かれし信念なのだから。

 

新たな関係、そこに絡まる波乱。新しい風が、世界を広げ新しい未来を開いていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱり元気な青春ラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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