読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?3

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:男嫌いな美人姉妹を名前も告げずに助けたら一体どうなる?2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻まで読まれている読者様であれば隼人と亜利沙、藍那の三人は三人で付き合っている、という事を当然ご存じであろうが。この関係、傍から見れば歪んでいて、しかもそれをまだ、大体的に明かしていない、というのもご存じであろう。よく考えなくても、薄氷の上、といえるかもしれない。そして今巻より舞台は新学期、進級し先輩となる彼らにも、新たな展開が待っているのである。

 

 

 

「お隣さんだし、これから是非よろしくしてくれると嬉しいわ」

 

 

新学期、進級、当然伴う単語はクラス替え。ラブコメでよくある展開としては、三人纏めて同じクラス、となる事も多いであろう。しかし、この作品はそうはならなかった。隼人と亜利沙は同じクラス、席も隣同士になる事になるも、藍那だけは別のクラスとなってしまい。二人の関係も学校では秘密なので、普通のクラスメイトとして関わる事となって。学校では隣同士の級友としての、付き合いが始まる。

 

「まだ後ほんのちょっとだけ時間あるからさ」

 

それを羨ましく思わぬ藍那ではなく。彼女は学校ではなく、家でいちゃいちゃする事を選ぶけれど、学校でも隠れていちゃいちゃする事を選んで。友人がイケメンと言う下級生にも全く興味を示さぬ彼女も、自分なりに満たされていく。

 

 

友人達の剣道部の団体戦を見に行く、というデートをしたり。自然に混浴したり同衾したり。更には両側から迫られたり。新学期と言う事で二人からの攻めがさらに激しさを増していく中。姉妹の母親である咲奈が体調を崩してダウンしてしまい。隼人と姉妹の三人で咲奈の看病をしながら生活を回す、という日々が幕を開ける。

 

 

「あなたは私の息子よ」

 

 

その中で、隼人は思わず咲奈の事を母さん、と呼んでしまい。彼の中になくした夫の面影を見出していた事で女になろうとしていた彼女は、真面目な方向を取り戻し。彼女だけの愛の形として、彼の母親になりたい、という娘達では出来ぬ方向の愛を見つけていくのだ。

 

クラスで隼人をやっかむ同級生だったり、剣道部の試合会場でみかけた因縁の元同級生だった莉、更にはいちゃいちゃを見せつけることで撃退した、藍那に一目ぼれしていた後輩だったり。 思うと波乱の種らしきものが、色々と蒔かれていくけれど。それでもこの恋だけは譲れない、と。更に思いを深めていくのである。

 

 

より愛を深める中に、新たな愛も出てくる今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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