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読書感想：百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その２ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、凛花と由那という二人の聖女と公認で二股をかけ、更には桜と葵という二人の妹には、ガチめな恋心を向けられ。前巻までを読まれた読者様はこう思われた事であろう。四葉、女心誑し過ぎると。まさにガルコメの原子核、悪く言ってしまえば優柔不断。よく言うのなら八方美人？ そんな未熟で等身大の彼女は、彼女を囲むヒロイン達にとっては惹かれる要素があるのである。
ではそんな女心誑しによるラブコメは、今巻はどこへ突き進むのか。今巻を読み終えた時、皆様はこう思われるかもしれない。四葉、君はいくつフラグを立てれば気が済むのか、と。
そのフラグは何処にあるのか。それは過去からやってくる。その名は真希奈（表紙右）。四葉の昔の幼なじみであり、国民的アイドルにまで上り詰めた少女である。
夏休みを迎えた矢先、いきなり近所に引っ越してきた彼女。芸能活動を休止しやってきた彼女に家に誘われ。思い出を思い出しつつ、四葉は真希奈の家を訪ねる。
「どうか、私と恋人になってください！！」
その場で頼まれたのは、恋人同士のフリをするという事。共演者との恋を疑う無粋な週刊誌からのカモフラージュの為、四葉に真希奈は頼み込む。
普通に考えれば、断った方がいい内容。それも当然である。何故ならばそれは、凛花や由那たちに対する酷い裏切りに他ならぬのだから。だがそれでも、四葉は真希奈の苦悩を見逃せない。幼馴染として助けたい、と。彼女を助けたいと願ってしまう。
凛花と由那と向かうプールデート。甘い蜜月を繰り広げたその後、舌の根の乾かぬ内に事情を隠してお伺いを立て。難色を示されながらも何とかお願いを通し、一日だけ、という条件を引き出すことに成功する。
引き出した条件の元向かうのは、思い出の残る水族館でのデート。思い出を振り返るように懐かしい事を語り合いながら歩く道中、咲茉と小金崎さんに遭遇し。事情を確認された小金崎さんから、四葉自身の甘さと弱さを指摘される。
「関係が変わるなんて、当たり前のことなのよ」
その弱さ、それは致命的なまでに鈍感であるという事。四葉は気づいていない、真希奈の本当の気持ちに。
「そう焦らなくても大丈夫ですよ。今すぐ答えを求めたりなんかしません」
それはデートの終わり、思い出した約束と引き換えに四葉に告げられる。その約束だけを拠り所に芸能界を生き抜いてきた、だからこそ彼女だけは失いたくない。そう言わんばかりに、恋人のその先の結婚まで意識して。全部を下さいと真希奈は真っ直ぐに四葉に迫る。
彼女は正に外から来た嵐。果たしてその嵐はどんな波乱を起こすのか。どう考えても波乱、この先どうなってしまうのか。
シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その3 (オーバーラップ文庫 と 05-03) | としぞう, 椎名くろ |本 | 通販 | Amazon
