読書感想:王立魔法学園の最下生2 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:王立魔法学園の最下生 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の概要においては既に説明する必要もないと思われるので、さくさくと今巻の感想に向けて進んでいきたい次第である。もし、まだ知らないと言う読者様、読んだけどストーリーを忘れたと言う読者様は、上記の前巻の感想を読んで参考にしていただきたい。

 

裏では王室御用達の暗殺者の顔を持ちながらも、表の顔は一介の学生にしか過ぎず。この魔法学園においては、何が重要であるのか。暗殺の腕、が求められるのならばやるべきことは簡単。けれどやるべきことは暗殺ではなく。クエストでのポイント稼ぎである。

 

「なんてことはない。学園の教材として使えると思ってな」

 

 が、しかし。普通であれば一介の学生であれば苦労したかもしれないクエスト受注もポイント稼ぎも、アルスにとっては楽なもの。本命の情報を狙い受けた本業、その結果得たハズレ情報もまた、学生としては大切なもの。

 

ハズレ情報だった犯罪者達を悉く狩りつくし手に入れた大量のポイントで、あっという間に学年一位へと駆け上がるアルス。

 

その行いは、無論この学園においては絶対的に目立つもの。彼に目を付ける新たな厄介の種、その名はジブール。三ツ星を持つ貴族の家の嫡男であり、ルウの婚約者である男である。

 

 ここまで読まれた読者の方であれば、もうお分かりであろうか。表紙はレナ、しかし今巻のメインはルウ。彼女の心の中に秘めた、復讐と言う只一つの願いに光が当てられる巻である。

 

憎い、自身の父親に罪を着せ、犯罪者として仕立て上げたジブールの父親であるレクターが。憎い、自身の父親の命を奪った謎の暗殺者が。

 

魔導列車を貸し切り行われる貴族のパーティー、かの中でレクターの思惑は芽吹き、爆弾を仕掛けられた列車は超特急で暴走する。

 

「・・・・・・冗談だ。今言ったことは、全て忘れてくれ」

 

それが何とかならぬアルスである訳もなく。だが、彼は今知ってしまった。ルウがかつて殺した男の娘である事を。

 

本当に殺されるべき人間だったのか、既に確かめる術はなく、あるのは只一つ。組織に命じられるまま、正義もなく人を殺す、それだけ。

 

一番近くで触れあいながらも、何処か大切な所ですれ違う。この秘密がいつか露呈したとき、そこでは何が待つのか。

 

ルウとレナの教育も進み、更に世界を広げる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、なろう系ファンタジーが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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