読書感想:王立魔法学園の最下生 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は自分の実力を敢えて制限して何かに挑まれた事はあられるであろうか。言わば、一種の縛りプレイとでも言えるかのような制限を付けて、何か真剣に取り組まなければならぬ事に挑まれた事はあられるであろうか。

 

舞台となる世界は、魔法の存在する異世界である。だがしかし、この世界においては貴族である人間しか魔法を使う事が出来ぬという制約が存在していた。

 

 だが、どんな法則にも大体の場合抜け穴が存在するかのように、この世界においても庶民でありながらも魔法を使う事の出来る者達もいた。けれど、そのような者達は「呪われた血」と呼ばれ虐げられる生活を余儀なくされ、この世界に対する不満もまた溜まっていた。

 

そんな世界で、王家と秩序に仇為す者を狩り、同時に腐敗した貴族をも王家の依頼により始末する、暗黒都市を守るギルド「ネームレス」。

 

その一員であり、有名な一人の暗殺者がいた。かの者の名は「死運鳥」。その正体こそが、この作品の主人公であるアルス(表紙中央)である。

 

暗殺者である義理の親父に拾われ早十年、もはやこれまで殺した人数は数え切れず。

 

 

 だがしかし、そんな彼は今、自分の生き方の転換を求められていた。何故ならば、三年前の大規模な抗争により最大の反抗勢力「逆さの王冠」が壊滅し、徐々に世の中は平和な方向へと進みだしてきていたからである。

 

当然ながら、平和な世界になってしまえば殺しばかりでは生きてはいけぬ。だがしかし、ただ魔法が使えるだけでは生きてはいけぬ。資格というものがいる。

 

そんな義父の教えと命令に基づき、彼は天下の王立魔法学園の門を叩く。

 

そこで目撃したのは、腐敗と怠慢、傲慢によりあまりにもレベルの低い争いを繰り広げる、貴族達の姿。

 

庶民である事を疎み、彼を出し抜き始末しようと、あの手この手の不正も絡めながら襲い掛かってくる貴族の面々。

 

だが、そんな小細工も何も通用する事は無い。当然である、貴族は命のやり取りをしていないから、本気の殺気を味わった事すらないから。ぬるま湯のような環境で生きてきた者が、死線の中で生きてきた者に勝てる訳が無いのは明白である。

 

何もせずとも無双し、あまりにも高い実力を示し。そんな彼に興味を示し惹かれるかのように集った少女達。星の数でランク分けされる貴族の中では最下層の少女、ルウ(表紙左)、その幼馴染のレナ(表紙右)。

 

その強さに惹かれ教えを乞うルウ、教えを拒み我が道を往こうとするレナ。徐々に差が出る二人の実力。

 

それに焦り、功を得ようと犯罪者狩りに乗り出すレナは実力の違いを見抜けず、窮地へと陥る。

 

「終わったぞ。ケガはなかったか?」

 

だが、そこへアルスはまるで、「あの日」のように現れる。現れたのならば最早敵の辿る道はただ一つ、死あるのみである。

 

なろうの王道ど真ん中を往く熱さと無双が溢れるこの作品。

 

なろう系の王道が好きな読者様、柑橘ゆすら先生のファンの皆様にはお勧めしたい。

 

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

王立魔法学園の最下生 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~ (ダッシュエックス文庫) | 柑橘 ゆすら, 青乃 下, 長月 郁 |本 | 通販 | Amazon