読書感想:無能と言われ続けた魔導師、実は世界最強なのに幽閉されていたので自覚なし4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:無能と言われ続けた魔導師、実は世界最強なのに幽閉されていたので自覚なし3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれている読者様であれば、アルスが魔王であるグリムとの戦いを通じ、魔法協会側にもその実力が知られる事になる、というのは何となくお察しであろう。更に、アルスに対しちょっと歪んでいる愛情を抱くユリアも本格的に動き出すというのもご存じであろう。その通りである。今まで教会側からは注目されていた彼であるが。魔法協会、ひいては普通の民衆たちにもその実力が知れ渡っていくのが今巻なのである。

 

 

「その中でも一番必要で簡単なのがギルドの設立だ」

 

前巻、決着を付けれど殺すまでは至らなかったグリム。アルス達の元に詫びを入れに訪れた彼は、アルスに魔王になる資格があると言い、そのまず一歩としてギルド設立を提案し。しかしアルスの願いである魔王をもしのぐ地位、「魔帝」に辿り着く方法はグリムであっても知らず。一先ずアルスたちは魔帝になる為の道筋を考えつつ、「ヴィル―トギルド」としての活動に精を出す中、「魔王会議」においてアルスの名前が浸透し始める中、新たな脅威はすぐそばまで迫っていた。

 

 

その名は「白狼」、フェンリル。「六大怪物」と呼ばれる怪物の一体であり、普段は双子山と呼ばれる場所に隠遁している怪物。しかしその怪物は何故か、山を下り高域と呼ばれる場所で活動を始める。

 

「目的のギフト―――我の目で確かめてやろう」

 

その目的とは何か? それは一度きり感じた何かの力の持ち主を探す為。更にそこに謎の人物が接触し、フェンリルもアルスの事を知り。彼の事を見極めると言う目的の元に更に動き出す。

 

 

折しも、フェンリルにアルスの既知の人物が襲われ、更にフェンリルの動きに合わせ他の魔物達も動き出し。「魔物行進」、モンスターパレードと呼ばれる現象が巻き起こる。

 

「オレの獲物だ」

 

その迎撃に、アルス達も参加する事となり。まだ見ぬ強敵を前に興味津々のアルスは、仲間達の援護も受け飛び出していき。フェンリルの元に単身辿り着き、一戦交える事となる。

 

フェンリルが目を奪われたのはユリアの戦う姿。だが驚かされるのは、アルスの力。鉄よりも固いフェンリルの毛を青銅の短剣で切り裂いてきて。更には自分の速度に互角以上についてきて。アルスの必殺技、天領廟大をぶつけるも討伐にまでは至らず。結局、勝負は物別れ、痛み分けの結果に終わる。

 

「ギルドを設立しろ。その先に貴様が望んで止まない魔法の知識が溢れている」

 

「全ては我らが愛しい”黒き星”のために」

 

戦いの後、フェンリルから諭された助言を胸にアルスはギルド設立への決意を固め。更には彼が道を見定めた事を知ったユリアも、本格的に始動し。更にここからが本当の始まりと言わんばかりに動き出していくのである。

 

更なる戦いの先、新章始動と言わんばかりに動き出していく今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

無能と言われ続けた魔導師、実は世界最強なのに幽閉されていたので自覚なし 4 (オーバーラップ文庫) | 奉, mmu |本 | 通販 | Amazon