読書感想:王立魔法学園の最下生3 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~

 

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読書感想:王立魔法学園の最下生2 ~貧困街上がりの最強魔法師、貴族だらけの学園で無双する~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、一年ぶりの続刊である今巻は一体何に対して触れていくのであろうか。そう思われた読者様もおられるのではないだろうか。そんな読者様は、とりあえずアルスの無双っぷりには心配せずとも大丈夫であるとお伝えしておきたい。最強の暗殺者である彼も、いつかは誰かに敗れ死ぬ時が来るのかもしれない。だがそれは今ではない。故に彼の前に敵はいない。では今巻では何に触れていくのか。前巻では、アルスと意外な因縁のあったルウを掘り下げた訳であり、今巻ではもう一人のヒロイン、レナを掘り下げていくのである。

 

 

王室御用達の暗殺者と学生、二重生活を送りながら今日も組織の指示で事件の解決に励み。暗黒街に蔓延り始めた麻薬に関する事件を追う中、アルスたちの前に思いもよらぬ者達が姿を現す。

 

 それは、もう一つの治安維持組織である「神聖騎士団」、その一つである通称、「公安一課」。低級の貴族達をパトロンとする彼等が遂に暗黒街が齎す利益に目を付け、その支配権を得ようと襲い掛かってきたのである。

 

折しも、学園の方ではアルスが早々にSランクへとのし上がった事で休暇を得る好機を。ルウやレナの進言もあり休暇を取ることになったアルスは、レナに誘われ街へと繰り出していく。

 

だがしかし、それは決して安息の日々へと繋がるものに非ず。公安一課により監獄から解き放たれた犯罪者達がアルスの命を狙い襲い来る。ある時はレナとのデート中に抜け出して、またある時はルウとの逢瀬の最中に隠れ家の中へと侵入してきていた者を打ち倒す。

 

「ワタシはワタシ自身のために強くなりたいです」

 

その彼にとって、ルウとの時間は何処か心安らぐもの、しかしレナの純粋な思いは、彼にとっては荷が重いもの。だが、騎士団に追われる彼の姿を目にし、自身の無力さを痛感したレナは力を求め。彼女の心の中に覚悟を見出し、彼は関係を結ぶことを選ぶ。

 

だが、彼の知らぬ間に騎士団の掃討作戦は新たな段階を迎え、同僚であるサッジを始め多くの仲間達が傷つけられていく。その先鋒に立つのは、ロゼという名の少年。かつてアルスの後輩として任務を共にしながらも、自分の中の絶対の正義を貫き、その価値観故に袂を分かち、「神聖騎士団」に鞍替えした者。

 

「・・・・・・親父。今回の仕事は俺にやらせてくれないか?」

 

だからこそ、後輩の不始末の責任は自分が付けると、アルスは決戦の舞台へと向かい。摩天楼と呼ばれる建物を舞台に、激闘を繰り広げていくのである。

 

「恋も、魔法も、負けませんから」

 

ルウとレナが更なる成長を果たし、更なるアルスの活躍が光る今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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