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読書感想:神殺しの魔王、最弱種族に転生し史上最強になる - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻を読まれた画面の前の読者様であればもうご存じであろうが、この作品の主人公であるハイラムは神殺しを成し遂げる為に人間への転生を成し遂げた。しかし、前巻の戦いにおいては魔神の分霊を一旦撤退に追い込んだに過ぎず。それも当然であるのかもしれない。何故なら彼の力はまだ本当の意味で目覚めていないから。その目覚めを為す為には、大きな切っ掛けが必要と言えるから。
では一体、どんな切っ掛けが必要なのであろうか。その答えは、今巻で描かれる冒険の中にある。今巻の内容は、言うなれば「魔王国冒険編」。かつての領土を冒険するお話であると共に、切っ掛けを得て本格的に神殺しの準備を整える巻である。
前巻で義娘であるフィルフィを救出し、訪れたのは束の間の穏やかな時間。時にリュミエルに嫉妬されたり、フィルフィに嫉妬されたりといった、まるで普通の日常のような穏やかな時間。
が、しかし。穏やかな時間は長くは続かないのが常である。それもまた当然のことかもしれない。彼の戦いはまだ始まったばかりであるから。新たな戦いの始まりを告げる者、それは現魔王イルムガルドの秘書である獣人の少女、コルネリア(表紙左下)である。
ハイラムの元に現れた彼女は願う。どうか主君を救って欲しい、そして生贄に捧げられんとする無辜の民も救って欲しいと。
「そうか。では、魔族を救うために大陸へ向かうとしよう」
無論、それを聞いて断るハイラムである訳もなく。何でもない事のように、さらりと彼は魔族を救う為にヨルムの手も借りて魔族達の大陸へ向かう事を決意する。
彼の地で待つは、魔神の力を借りイルムガルドへ反旗を翻した佞臣、カルメロによる暴虐。その暴虐により苦しめられる、罪なき者達。
「我を誰だと思っている。史上最強の魔王にして、魔導を極めし魔法王ハイラムだぞ」
見逃せるわけもない。例え最短距離ではないとはしても、救うと交わした約束がある。イルムガルドの元へ向かう前も含め、ハイラムは目にした全ての暴虐に天誅を下し、あっという間に魔王国の民から信頼を得ていく。
勿論、それは一人だけの戦果ではない。同行者であるフィルフィとリュミエル、ヨルムもまたそれぞれの力を以て活躍し、その限りない力を見せつけていく。
彼の歩みを止められる者は未だおらず。それも当然であるのかもしれない。何故なら彼は最強の魔王であり、今も尚成長を続ける人間なのだから。
前巻を楽しまれた読者様、王道な無双譚が好きな読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
神殺しの魔王、最弱種族に転生し史上最強になる 2 (GA文庫) | えぞぎんぎつね, TEDDY |本 | 通販 | Amazon