読書感想:あなたを諦めきれない元許嫁じゃダメですか?2

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前巻感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/04/28/231816

 

さて、翼と麗奈による恋のさや当てバッチバチな七渡という只一人の男子を巡り始まった恋の戦いを、画面の前の読者の皆様は覚えておいでであろうか。ではその前巻を経ての今巻である二巻はどうなるのか。更に恋のさや当てが深まるのか、否、深まるどころではなくとんでもない爆弾が放り込まれるのが今巻である。

 

では順に沿って見ていくとして、まず初めに来るのは何かと聞かれれば、柚癒の差し金と言う名のアドバイスによる麗奈の押しの一手。七渡との疑似的な恋人関係である。

 

男避けの為という名目で、二人より添い写真を撮る事から始め。ところがその一撃が麗奈の込めた想いにより予想外の方向へと転がり、まるで本当であるかのように受け入れられてしまう。

 

「じゃあ、みんなの前でしてた方が良かった?」

 

その心に芽生えたのは、ほんの少しの後ろめたさと翼もやっていたから、という思い。だからこそ、麗奈は止まらずこの機会を活かせと言わんばかりに七渡へ迫る。

 

では元許嫁たる翼は何もしないのか。否、そんな訳が無い。彼女は彼女の強みを以て、七渡へと距離を詰めていく。

 

「あの時みたいに一緒に座ろうよ」

 

「七渡君に距離を空けられるのは辛いん、離れていかないで」

 

姉もいる自分の家へと招き、まるであの日のように密着したりして寂しさを伝え。

 

「ウチも一緒に反省してあげるね」

 

皆でいった夢の国、七渡を連れ出し二人きり。溢れ出す想いと、彼を支え共に抱える間違いを直したいという想いで頬にキスをして。

 

二人のそれぞれの一撃が決まり、徐々に過去の記憶をよみがえらせ始めながらも、自らの思いに悩む七渡。そんな彼を支えるのは誰か。それこそが今巻からの登場人物。かつて三日だけ七渡の彼女だった少女、育美である。

 

七渡の初めてのバイト先であるクレープ屋で偶然再会し。ぎこちなく空いた二人の距離は、困ったお客への対応を二人で乗り越えた事で、氷が解けていくかのように縮まり始めて。

 

奇遇な事に、二人の関係修復を促す事態が巻き起こる。それは翼と麗奈のふとした切っ掛けからの衝突。

 

どちらも大切、どちらも好き。だから選べない、崩したくない。弱音を吐露する七渡の側、真剣に向き合う育美は彼の悩みに真っ直ぐ向き合い。

 

その中、彼女は知ってしまう。別れの原因となった浮気騒ぎは自分の親友、美波がついた嘘だった事。本当ならば、自分と七渡はまだ付き合っていたかもしれないという事。

 

その元凶である美波は二人の様子を見つめる翼へ近づき、まるで悪魔のように言葉の毒を彼女へ囁き。

 

「これ以上、七渡君のこと悪く言われるの、友達でももう無理だから」

 

その一撃を、純粋な愛から来る絶対の信頼で翼は跳ね除けて見せる。悪いのはきっと自分だから、と。

 

翼のあの日から続く恋。麗奈の寄りかかるかのような恋。そして育美の、今再び燃え上がるもう一度繋がる恋。

 

二つの恋に今、もう一つの恋が重なり混じり。ここに恋愛闘争劇の新たな舞台の幕が上がる。

 

前巻を楽しまれた読者様、真っ直ぐにぶつかり合う青春、そして弾け激しく叫ぶかのような恋が好きな読者様。どうか是非読んでみてほしい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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