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読書感想:二度目の勇者に仲間はいらない ~魔王討伐済みの俺は伝説の武器の在りかも魔族の弱点もすべて知っている~ - 読樹庵
さて、前巻で始まった、「こどくのゆうしゃ」という称号に全く合わないジークの旅路。仲間を失う程に強くなる、故に失わないように、総てを自分で抱え込む。そんな彼の旅路は未だ、始まったばかりである。前巻では王女でもあるコーデリアとのあれこれを書いた訳であるが。今巻では前巻の最後、現れたもう一人の仲間、リリアンディリスとの絆が本格的に始まるのだ。
「勇者でも勇者じゃなくても、お前は私の研究対象なんだ」
前巻の最後、唐突に現れた、ハイエルフの王女、リリアンディリス。しかしジークは勇者の証、紋章をうまく隠している為にリリアンディリスから見ても確証を得るまでは行かず。しかし時間魔法を研究している彼女からすれば、何か感じるものがあったのか。勝手に彼女はついてくることに。まぁ好きにさせておく、と言う事にし向かうのは隣の領地、を抜けた先にある森林地帯に眠ると言う、初代勇者に関連があるとされる魔剣。
「君は、僕の仲間になるためにこの地に来たんだ!」
一先ず三人パーティーで、コーデリアのレベリングもしながら旅をする中辿り着いたのは隣の領地。しかしそこでは予想外の事態が。領主の息子、ディランの手に宿るは「勇者の紋章」に見える紋章。浮かれ立つ彼はコーデリアを仲間にしようとし、その場は辞して領主を訪ねると、どうもディランはこの地に眠っているらしい勇者の武器、失われた筈の「神剣」を探すらしいとの事。 何か知っているらしいリリアンディリスは強固に反対するも、この事態が気になるジークは捜索隊に参加する事を決め。喧嘩別れのような形で、リリアンディリスは離脱してしまう。
「大事なものだからこそ、あなたに託すのよ」
一度故郷である里に戻ったリリアンディリスは、初代勇者に手を貸し魔法を持ち出したという事で投獄されている姉、イレイシアに再会し。自分達長命の者達のこと、見届ける事を諭されて、とあるものを託され、ジーク達の元へ。
「お前は生きろ」
そしてジーク達サイド。 そも、同じ時代に勇者が二人、というのはあり得るのか? 結論から言ってしまえば否。これこそはディランの心の隙間に付け入った、魔族の罠。この領地にあるのは神剣、ではなく魔神を封印する要。それはディランにより引き抜かれてしまい魔神スルトが復活。自身の呵責を責めるディランを、一先ず契約だけは断ち切り生かし、ジークとコーデリアは二人で戦いへ。
戦いの中、コーデリアが至るのは新たな境地。リリアンディリスに覚悟を問われ、ジークが応え抜き放つのは、所有者の命を食らう魔剣。
「もし・・・・・・我らの魂が引き合うのなら、お前とはふたたびまみえるだろう」
そして明かされるのは、彼女とジークの繋がり。種族を越えた、母性にも似た愛。そして彼女も「こどくのゆうしゃ」の対象に加わり。また旅が始まるのである。
世界観がより広がり、本格的に始まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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