読書感想:マッチングアプリで出会った彼女は俺の教え子だった件

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様はマッチングアプリ、というものは嗜まれているであろうか。出会いを求める場、であるマッチングアプリ。CMでは見かけたことがあるという読者様も多いであろう。しかし実際にやられた事のあるという読者様はどれだけおられるのだろうか。実際に会うまではアプリ越し、互いに本当に顔も知らぬ状態で交流する訳であるが。そういった状態で交流するからには、やはり時に問題も発生する訳である。

 

 

しかしラブコメ界においては、マッチングアプリというのは時々題材となるものである。この作品もタイトルからお分かりいただけたかと思うが、マッチングアプリが重要な要素となるラブコメなのである。

 

ごく普通の高校生教師、修吾。教師としてはまぁまぁ充実した仕事はしているも、恋人は無し。そんなある日、かつての同級生が結婚すると言うニュースを飲みの場で聞き。同級生が嫁と出会うきっかけとなった、日本でも人気のマッチングアプリをやってみる事にする。

 

「センセが泊めてくれないと、この写真、学校でバラまいちゃうから♡」

 

ひとまず自分なりにプロフィールを作ってみて。早速マッチングしたのは「さくらん」という女性。何気なく交流を持ち掛けて話が合って、初めてのデートもまぁまぁうまく行って。その帰り、何故か彼女は家まで尾行してきて押しかけてきて。そこで判明するのは彼女が自分の教え子である咲来(表紙)。当然、年齢制限で引っかかる所を裏技で通してまで何故彼女はマッチングアプリをやるのか。それは母親との折り合いが悪く、母が家に男を連れ込んでる間帰りづらいから。事情を聴き仕方なく、家に泊めることになり。気が付けば逃げ場所として彼女に家を提供する事になり。その代わりにマッチングアプリでの必勝法を教えてもらう事となる。

 

「ほんと修くん、昔と変わらないね」

 

出会い目的の女とマッチングしたり、面倒な勧誘に引っ掛かったり。そんなハズレな出会いの先にマッチングしたのは、元カノである美優。彼女の方は、修吾に対しまだ思う所、未練を残しており。その思いに感づいた咲来は反発しようとするも、美優に軽くあしらわれ。心揺らしたままやってくるのは咲来の誕生日当日の、美優とのデートの日。デートに臨もうとする彼の元に飛び込んできたのは、彼女が怪我をして病院に運ばれた、というお知らせ。

 

「ほんとセンセ、バカすぎだよ」

 

板挟みとなり、どうするか。何方を選ぶか。 修吾が大人として選ぶのは教え子。咲来の元へ駆けつけ誕生日プレゼントを渡し。咲来は嬉しさで心を揺らすのである。

 

だけどこの作品は未だ始まったばかり。それぞれに事情を抱えるヒロイン達に囲まれるラブコメはまだ始まったばかりなのだ。

 

何処か苦め、揺れる心理描写が見所なこの作品。甘いだけではないラブコメを見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: マッチングアプリで出会った彼女は俺の教え子だった件 (GA文庫) : 箕崎准, 塩こうじ: 本