読書感想:ログアウトしたのはVRMMOじゃなく本物の異世界でした4 ~現実に戻ってもステータスが壊れている件~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ログアウトしたのはVRMMOじゃなく本物の異世界でした3 ~現実に戻ってもステータスが壊れている件~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でかつての仲間の一人であるイオリに酷似した魔人の襲撃を受け、魔女神という一連の事態の黒幕を知った我らが主人公、玲人であるが。画面の前の読者の皆様、こうは思われないだろうか。一人、魔女神の手に囚われているのなら、他の仲間達は果たして、囚われていない、という事があるのだろうかと。もしそんな危惧を抱かれたのなら、その危惧は間違ってはいない。何せこの世界は玲人にとっては、厳しいものだから。

 

 

 

「・・・・・・そうだ。絶対に取り戻してやる」

 

しかし、例え敵対する事となろうとも。イオリ達、自分が蘇生させた仲間がこの世界にいる、というのは変わらない。胸を焼くのは、かつての仲間達を操る黒幕への言い知れぬ怒り。そしてもう一度見つめ直す、自分が目指すべき大目標。例え戻る世界が違ったとしても、全員で現実に帰るため。その目的の為、まずは色々なものを集める為に動き出す。

 

と、とりあえず言ってみたけれど、玲人一人に出来る事はあまりにも少ない。それもまた当然であろう。そもそも彼が狙われる理由であるらしい「因子」、というものの正体も分からないのだから。だからこそ彼に出来る事は、用意を整えた上で後手から反撃する事。それのみである。

 

故にこそまずは日常に戻り。再びゲームの世界に戻り、限定クエストでアイドルであるそあら(表紙右)と知り合ったりする中、事件はすぐに幕を開ける。いつものように進むはずだったゾーンの探索、しかし謎の地震が突然発生し。雪理と共に行動する事になる中、自分達の進む先で同じように飛ばされ、窮地に陥っていた者達を助け。気が付けば一つのパーティの様になっていく。

 

ゾーンの中、皆で集まる事で希望になる、かと思われた。しかし、本当の試練はここから。ゾーンに封印されていた龍のような魔物、その頭部に疑似餌のように設置されていたのはかつての仲間であるミア。玲人の事を取り込まんとするかのように、心に直接語り掛けて来て。更に、心を侵す歌が場を恐慌状態に叩き込んでいく。

 

「だから絶対にそうするだけだ・・・・・・っ!」

 

だけど、どれだけ相手が強敵であるとしても。目の前に取り戻すべき仲間がいるなら、諦める理由は何処にもない。全員の力を合わせ、無数の援護を受けた先に手を伸ばす。取り戻すべき仲間を助ける為に。

 

玲人の戦いが一つの到達点に辿り着く今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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