読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる7 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する

 

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読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる6 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、先日アニメも無事に放映が始まり、コミカライズも好調と今人気の波に乗っているこの作品であるが、前巻までが一つの区切りであるとするのなら、今巻からが新たな章である。前巻の後、一つ学園が進み、二年生となったレイ達。今までとは違い、後輩も出来て新たな出会いもあるのが今巻なのである。

 

 

だがしかし、これもまた忘れてはいけない事だ。前巻で表舞台への本格的な介入を開始した「優生機関」。一度動き出した彼等が止まる道理は何処にもなく、そしてかの機関には様々な意味でレイを狙ってくる輩がいるのだという事を。

 

「よろしくね―――先輩?」

 

新たな季節、やってくるのは入学式。レイの義妹であるステラや王女であるオリヴィアも後輩として入学してきて、始まる新たな日々。かと思いきや、いい出会いもあり悪い意味での出会いもあり。新興貴族の出である少年、ネイトがレイの事を敵視し一方的に宣戦を布告してきたのであった。

 

だがしかし彼は知らぬ。そもそもレイは不正なんてしていないし、レイもその義妹であるステラもまた、規格外の存在であるという事。優秀な成績、という彼のプライドはステラに決闘で敗北した事であっさりと折られ。寧ろその結果からステラ、ひいてはレイに注目が集まる結果となり。貴族社会でレイの存在が大きくなり、彼を取り込もうとする動きが芽生えていく。

 

 だが、忘れてはいけない。既に優生機関の魔の手はすぐそばまで迫っているという事を。前巻で顔を見せた組織の一員であるビアンカ。実はレイと同じ村の生まれであった彼女は、ネイトを操り本命の狙いとのパスをつなげることでレイ達の裏をかき、その目の前に姿を現す。

 

レイの力を以て、神となってしまえば全部を救える。そう嘯く彼女の固有魔法に囚われ、精神世界で追い込まれるレイ。その助けとなったのは、共に巻き込まれたオリヴィア。彼女の願いと叫びが、レイの心に届き。現在の世界を選んだレイは、現実世界に帰還する。

 

「全てを救うことはできない。俺はそれを、あの戦争で知った」

 

敵の手を脱したのなら勝負は一瞬、しかしそれは苦い結果と心の傷に終わり。それでも、それすらも抱え込んで。レイはまた、明日へと進んでいく。

 

第二部開始となり、新たな出会いが舞台を更に進めていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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