読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる8 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する

 

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読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる7 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻刊行から今巻の感想を書くまでにアニメも無事完結を迎え、まぁ様々な反応があった訳であるが。前巻までを読まれている読者様であればご存じであろう。優生機関の魔の手を何度も跳ね除け続けてきた我らが主人公、レイ。しかし優生機関の思惑は順調に進行しており、徐々に最終決戦への機運が高まり始めていると言う事を。実際それは間違っておらず、最終決戦こそが一つの終わりとなる事を。その予感は間違ってはいないのだ。

 

 

その予感はいよいよ現実のものとなる。レイの元に現れた魔術の祖であるフリージアにより様々な謎が明かされ。最終決戦へ向けての準備が整うのが今巻なのである。

 

「全ての始まりは、私と―――弟だった」

 

フリージアが明かしたのは、何故魔術がこの世界で定着する事になったのか、抑止力と言うシステムは何故この世界で必要だったのか、という事。全ては彼と、弟であり今は優生機関のボスであるライナスの争いから始まり、ライナスは何とか存在を保っている自分とは違い、人体実験等を用いて当時の力をほぼ維持しているという事。そして、あの地獄の極東戦役ですら通過点に過ぎないと言う事。

 

「・・・・・・最近、貴族たちの動きも活発になってきました。レイさんの正体が明かされる時も近いかもしれません」

 

更には、今年の魔術剣士競技大会での優勝も合わせ、やにわにレイへの注目が高まり始め。アメリアやレベッカ達、レイに思いを寄せる少女達にとっては負けられぬ勝負の時が迫る中。夏休みを迎え、リゾート地でのパーティにアメリア達が出席しなければいけなくなる中。レイは師匠たちかつての仲間達と旅行に行くはずが、キャロル以外のメンバーが風邪でダウンしてしまい。急遽キャロルと二人きりで旅行に行く事となる。

 

奇しくもそこは、アメリア達のいるリゾート地。いつも通りに元気なキャロルの、その内面を知る事となり、彼女もまた進むべき者であると言うのを感じ取り。アリアーヌとの遭遇等ありつつも、リゾート地を舞台に恋の戦いが始まる。

 

 

・・・・・・と、いけばよかったのであるが。今までの流れは全て最終決戦までの余興と言わんばかりの展開が待っている。 そこへ襲来するのは、ライナス。レイとの邂逅、顔合わせと言わんばかりの激突。その先に待っているのはいよいよの最終決戦。最後はこちらから攻める、優生機関の本拠地である帝国への突撃準備が静かに始まる。

 

「いや、今だから言わないといけないことがあるの」

 

 

準備の整う中、アメリアがレイに告げるのは自分の思い。その思いへの答えはどうなるか。だが、どうなるにせよ決着は確かに付けなければならぬのだ。

 

最終決戦への足掛かりとなる今巻、シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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