読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる5 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する

 

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読書感想:冰剣の魔術師が世界を統べる4 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、これまで様々な戦いを繰り広げ、アメリアやアリアーヌ、レベッカやオリヴィアといった多数のヒロイン達の心を射止めてきた我らが主人公、レイである。が、しかし彼の過去に何があったか、というのはこれまで謎に包まれてきた。そんな彼の過去に触れ、紐解いてくのが今巻である。

 

 

レイという少年の始まりから数年前。特殊部隊の創設までの間に士官学校を一年の間に全て学んで卒業し。リディア、アビー、キャロルの三人は同じ部隊へ配属され、「特殊選抜部隊」として様々な作戦をこなす。その日々が続き数年後。とある任務で訪れた極東の小国の村・・・の焼け跡。そこで唯一の生き残りであった五歳のレイと出会い、彼はリディア達に保護される。

 

「お前はこれからも、私と―――いや。私たちと一緒だ」

 

リディアの直感により、彼はリディアの元に保護される事になり。ここに今にも続く師弟関係は作られる。ここから本当に始まるのである、運命の歯車が。

 

 体を動かす方向の師匠であるリディアと、学問の師匠となったアビーはすぐに気づく。彼の中には特異とも言える程の吸収性がある事に。そのずば抜けた力であっという間に様々な事を学び吸収し。三年の間に人間らしく、普通の少年らしく成長していく。「特殊選抜部隊」の面々と友誼を結び、穏やかに過ぎる日々。しかしその日々は長くは続かなかった。

 

極東で行われている戦争が、「極東戦役」という名で呼ばれ始めた頃。軍がレイを放っておく訳もなく、追加戦力としてレイが招かれ。リディアの最終試験を潜り抜け、彼は舞台の一員となり。二年の間に、任務の経験を積み様々な事を学び。いよいよ「特殊選抜部隊」は「極東戦役」へと送り込まれる。

 

 レイの故郷でもあるその地で待っているのは、地獄のような戦場。レイの身柄を狙う「七賢人」という七大魔術師すらも上回る戦力が暗躍する戦場で。戦いの中で、レイは初めての喪失を経験する。年の離れた兄貴分であり、かけがえのない仲間であった男の喪失を。

 

喪失を経て何かが壊れたかのように、レイは無敵の力を振るい。そして最終決戦へと戦況がもつれ込む中。「七賢人」との戦い、リディアの負傷を経て彼はその力を暴走させ、全てを飲み込み終わらせてしまう。

 

そして確かに戦争が終わった後。リディアの提案により、彼は彼女の姉の養子となり、「レイ=ホワイト」となり。我々読者の知る彼となったのである。

 

「また来るよ。今度はそうだな。近いうちに。じゃあ、また」

 

そして、大切な仲間が遺してくれたものを背負って、レイは温かな世界へと歩き出す。新たな季節が待つ世界へと。

 

果たして、新しい季節に待っているのはどんな日々なのか。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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