読書感想:エルフ奴隷と築くダンジョンハーレム5 ―異世界で寝取って仲間を増やします―

 

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読書感想:エルフ奴隷と築くダンジョンハーレム4 ―異世界で寝取って仲間を増やします― - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さてさて、いよいよこの作品も最終巻である訳であるが、前巻までを読まれた読者様であればもうやるべきことはお分かりであろう。今巻でやるべき事、それは打倒「漆黒」に他ならぬ。彼が勝てば世界が終わり、マルス達が勝てば自分達の願いを叶えられる。正に外れれば全てを失う代わりに当てれば億万長者な一発勝負。故にここで全賭けしないわけにはいかぬ。皆の力を合わせ、最終決戦に挑むのが今巻なのである。

 

 

「誰かの決めた約束は絶対破るが、自分で決めた約束は守る男だぜ、オレは」

 

そして向こうから持ち掛けられた真剣勝負、という場において「漆黒」ほど信用できるものはない。何せ彼は、自分で語る通りの男であるのだから。世界樹を目指すマルス達の元へ転移で現れご飯を要求しながら。彼は世界樹の迷宮をボスラッシュなダンジョンに作り替えたと告知し、マルスに馴れ馴れしく接しながら去っていく。

 

 望みの前、見つめ直すのは生き延びた先の未来。皆で一つに思いを固め、未来へ向かう為に本気で子づくりしながら。辿り着いた世界樹の迷宮、そこでは「漆黒」に過去に殺され使役されるボス格の魔物達との連戦が待ち受けている。

 

無論、相性のいい敵ばかりではなく、寧ろ相性の悪い敵ばかり。そこへ駆けつけるのはゼリウスやオニキスといった、過去に友誼を結んだ者達。彼等の思惑のままに冒険を続ける道が重なり、共同戦線の先。いよいよマルスと「漆黒」の一騎打ちが待っている。

 

「オレ、友達が欲しかったんだっけ。普通に、遊んでみたかったんだ」

 

魔法を使わぬ剣と肉弾戦の一騎打ち。お互いに何も与えられなかった、はじまりは似たようなもので、考えもお互い分かり合える。どこか懐かしい、まるで遊ぶような戦いの中。「漆黒」は暴力と怒りに彩られていたかつての自分を思い返し。そして最後は悔いなく最高の一撃をぶつけ合い、望んだ終わりを得て。最後に本当に欲しかったものを思い出し、その命を終わらせる。

 

マルス達のご飯に絡みに行っている時、彼が見せていた屈託のない笑顔。もし始まりが違っていれば、分かり合えたのかもしれない。だけどそれは、この世界では叶わない。

 

「今日の夕飯はラーメンにしようか。急にそんな気分になったよ」

 

でも、新たな世界でなら。新たな人生でなら。かつての記憶は持たぬけれど、今度こそ。死にたいと思うまで永遠に続く、少しだけ変わった世界の中。これからもマルス達の物語は続いていくのである。

 

最後は王道なファンタジーに、「漆黒」も含めて全員が救われる完全無欠の大団円を。シリーズファンの皆様は是非。

 

最期まで満足できるはずである。

 

エルフ奴隷と築くダンジョンハーレム 5 ―異世界で寝取って仲間を増やします― (ダッシュエックス文庫) | 火野 あかり, ねいび |本 | 通販 | Amazon