読書感想:D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でジレイは既に事態の渦中に巻き込まれてしまっている。ぐーたらしてはいたいけれど、そんな事も言っていられなくなる。章の後半戦となる今巻、果たして何が描かれるのか。その答えを言ってしまうのであれば、今巻はラフィネの内心に続きレティノアに焦点が当たる巻であり、彼女についてのあれこれが語られる巻である。

 

 

突如として勇者達に届けられた召集命令、そこに何故か加えられていたジレイ。別に勇者ではないけれど、投げ出す事も出来ずに。渋々と向かった先で出会うのは、【運】の勇者、ノーマンや【呪】の勇者、カアスといった未だ出会っていない勇者達。彼等からも熱烈な勧誘を受け、溜息交じりにそれを払いのけながらも。ジレイの心の中、どうしても様子のおかしいレティノアの事が気にかかる。

 

 何処か養父ともうまくいっていない彼女には何があるのか。その疑問に対する答えをこっそり教えてくれて、ジレイには決して見せぬ虐げられる彼女の姿を見せてくれたのはアルディであった。

 

勇者達への依頼、聖剣を解放することができるらしい試練の谷に置き去りにする大罪人の名、それはレドニス。勇者に関する禁忌の研究を進めていたものであり、レティノアにとっての「父親」。そこに秘められているのは、彼女の出生に関する痛ましい秘密。

 

そしてもう一人の大罪人を引きずり出す為の囮として、何より処分が決定させられた身として。レティノアへと悪意が襲い掛かり、仲間と分断されて彼女は単騎、ルーカスとの死闘に身を投じる。

 

戦力差は絶望的、それでも諦めきれぬ。ししょーの元へ帰るために。死力を尽くし、予想を超え。だがその手は届かなくて。

 

「いま、助けてやるからな」

 

だが、最後の一歩を盤面の外から飛んできたジレイが詰める。怒りのまま、力をたぎらせながらも思考は冷静に。救うためのプロセスのままに、最短距離で駆け抜けて。幻として現れたエンリも助言をし、ジレイはまるで神の如き御業を発動させて。いっそ強引なまでに、レティを救い完膚なきまでにハッピーエンドを導いて見せる。

 

だが、思い出した彼の記憶の中。そこにあった、妹のように大切に思っていた彼女の名は。そして彼女が抱えているものは。新たな不穏の種に他ならぬのである。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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