前巻感想はこちら↓
読書感想：一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら１ 腹ぺこ美少女との半同棲生活が始まりました - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で玲の長年温めてきた育む恋が本格的に再動を始め、凛太郎もまた過去の残滓に玲を重ね始めて。一緒に落ちていくとまで宣言した彼女と彼は、唯一無二の関係性を築き始めた訳であるが。夏という季節に何かが始まらない訳は、ない、と画面の前の読者の皆様も思われないだろうか。正にその通り、今巻では確実に何かが始まっていくのである。
夏、それは夏休み。学生である凛太郎も中々の成績を納め、前巻で玲と二人きりで出かけていた所を目撃していたクラス委員長、梓に自分が考えた嘘を説明し。何とか納得を得る事が出来、ひとまず乗り切ることは何とか叶う。
「じゃあ、私と青春しよう」
そんな中、クラスの友人達と皆でプールに出かけ、その中で梓に告白したいクラスのイケメン、祐介を手伝う事になって。意図せずして告白シーンを見届けて、梓の思いに悩む凛太郎に、美亜に入らぬ入れ知恵をされて水着で迫ってきた玲は言う。貴方の憧れは私が叶える、だから私と、私達と忘れられぬ思い出を作ろうと。
その言葉を叶える様に、約束の日。ミルスタの面々しかいない中に合流したプライベートビーチ。彼等しかいない非日常的な舞台の中、凛太郎は忘れられぬ経験をしていく。大人気アイドル達との青春、という彼にだけ許された時間を過ごす中。彼女達をここでも真っ直ぐにフォローし、気を配り。そんな彼のあり方が彼女達の心を更に開いていく。 その様子が玲に、どんどん焦りを齎していく。
この距離に居られるのは、正しく凛太郎だけであるのだろう。それは正に「四人目」のかけがえのない仲間の様に。まだ全ては、彼女達の全ては見えないけれど。それでも只のファンよりはよほど多くの事を知っている。だからこそそれは彼女達の心を掴んでいると言う証に他ならぬ。
「―――うん。ずっと一緒にいたい」
だが、やはり凛太郎の心の真ん中にいるのは、玲なのである。ずっと一緒にいたいという思いは同じ、だがそれを今、伝えるわけにはいかぬ。けれどいつかは伝えたい。だからこそこの想いは、今はここに置いて行く。
だが、そんな平穏は長くは続かない。まるでまだまだ波乱は起きるよと言わんばかりに、美亜から齎された唐突な爆弾発言。それは一体、何を齎すのか。
前巻から引き続き、弾けるような面白さが高まる中で仄かな甘さが高まっていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
