読書感想:一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら 4 美少女アイドルたちとの同棲生活が始まるようです



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読書感想:一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら3 素直可愛い美少女との文化祭が始まります - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻まで読まれている読者様であれば凛太郎が結構いい所の出であり、それこそ上流階級と言っても差し支えない、というのはご理解頂けているであろう。しかし画面の前の読者の皆様、こうは思われないだろうか。この先、ラブコメを進めるのならば。凛太郎が父親との確執を乗り越えることが必要ではないか、と。

 

 

ではここでそもそも考えてみて欲しい。そも、凛太郎の父親ってどんな存在なのか? 彼が一方的に嫌って恨んでいる、それくらいしか分からない。その見方は本当に正しいのか。その辺りも判明してくるのが今巻なのだ。

 

「・・・・・・そうか、ならば断わればいい」

 

前巻の最後、呼び出してきた父親、雄太郎。彼が告げるのは、落ち目の会社グループが持ち掛けてきた縁談のお話。無論それを受ける気は凛太郎にはなく。それを突き付けた所、拍子抜けするほどにあっさりと話は終わる。

 

しかし話は終わって、はい解散とはいかなかった。縁談の相手である、凛太郎の初恋の相手である幼馴染、柚香。彼女は諦めないと宣言し、その言葉に玲達との半同棲生活を知られるわけにはいかないと気付き、とりあえず対策を考えながら、玲達ミルスタ組とは少し離れて生活をする事となる。

 

「嫌いだって思えるほど、あんたはその人について知ってるの?」

 

そんな中、夏音から聞かれた一言が凛太郎の世界を開く。そも、彼は父親の事を何も知らない。知らぬままに一方的に嫌っていただけ。では、その嫌いと言う感情は本当に正しいのか? 友人である雪緒が女装して恋人役に名乗りを上げる中、凛太郎は父親の事に迫っていく。

 

その中で見えてきたのは、実はそもそも前提が逆であったという事。父親は口下手なだけで自分の事をきちんと見ていてくれた、という事。そして柚香とのぶつかり合いの中、彼女の事情と思いにも触れ。凛太郎は自分の思いに触れていく。

 

「あいつが苦しんでいるなら、力になってやりたいんだよ」

 

柚香に対する思いはない、だけど彼女を救いたいと言う思いはある。あの日のように「ヒーロー」として。なればどうするか。雄太郎に協力を仰ぎ、会社としてのメリットをプレゼンし、初めて親の力を利用する事で蟠りを解き、また日常へと戻る。

 

「二人とは公平に闘いたいから」

 

そして決まる、初めての武道館ライブ。その始まりへ歩き出す中、ミルスタ内部での凛太郎を巡る戦いも幕を開けるのである。

 

蟠りを解き、想いが動き出す今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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