読書感想:ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の前巻の感想を書いた頃から早四か月、画面の前の読者の皆様の中で新社会人になられる読者の皆様も、そろそろ新しい環境に慣れ始めた頃であろうか。勤め先の空気も分かってきて、先輩に時に怒られたりして。そんな皆様も、そろそろ社会人のお休みの日の尊さがお分かりになられてきた頃であろうか? あともう三か月ほど頑張れば有給、という夢のようなものも得られるかもしれない。だが新社会人の読者の皆様、先達としてこれだけはお伝えしておこう。職場にもよるが、有給なんて取れない時は取れないものである。寧ろ仕事が忙しいと、全然取らせてくれないものなのである。

 

 

舞台となるイフールの町で今日も働く受付嬢、アリナ。彼女の心の中は今、迫ってくるイベントに静かに湧き立とうとしていた。

 

 その名は、年に一度、数日間にわたって開催されるお祭り「百年祭」。受付嬢三年目、去年と一昨年は残業により参加できず。だからこそ、今年は全力で楽しむために定時帰宅厳守。が、しかし。そう簡単にはいかないのが常なのである。

 

一週間後にお祭りを控え、唐突に流布された根拠なき噂。クリアすれば「神域スキル」を得られるという「裏クエスト」があるという噂に踊らされた冒険者達に困らされ。当然のごとく烈火のようにぶち切れたアリナは、協力を申し出てきたジェイド達と共に、新米冒険者を装い、おとり捜査に挑む。

 

しかし、その捜査は過去の因縁を呼び覚ます呼び水となる。ジェイド達のパーティ、「白銀の剣」に属するヒーラー、ルルリ(表紙右)。かつて新米だった頃、仲間を死なせたと言う責任を背負わされ追放されたという過去。それを知るかつての仲間の一人、アイデンが黒幕の一人として姿を現す。

 

 過去なんて知った事かとアイデンをぶっ飛ばし、ようやく迎えたお祭り本番。だが、協力のお礼にジェイドと一日デートに臨むアリナの目の前、お祭りの舞台で騒動が巻き起こり、新たな裏クエストが受注され。新たな魔神が覚醒を始める。

 

「私は、ジェイドたちが死ぬ方がやだ」

 

お祭りを楽しみにしていたと知っているからこそ、ジェイドに来るなと止められ。けれどもう、大切なものは分かっている。だからこそ今度は自分の意思で。

 

彼女達が出会う新たな魔神、半分ずつの印を持つ一対の魔神。前巻にも増して強く、一対と言う特性が討伐への道を阻む。

 

戦いの決め手となるのは何か。それはルルリの過去を越える力、ジェイドが新たに命がけで見出した新たなスキルの力、そしてアリナの怒りの力。

 

「・・・・・・ジェイドはさ、死なないでよね」

 

 もう寂しくはない。一人だったら寂しいままだったかもしれない。けれど今、自分には新しい大切なものが出来たから。

 

前巻よりもシリアス度を高め、更に世界観を深めながらも面白さを深めていく今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱり笑えて燃える作品が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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