読書感想:ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います4

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前巻感想はこちら↓

読書感想:ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で一つの戦いが終わり、一つの大きな流れの節目へと辿り着いたこの作品であるが、まだ何も終わってはいない、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。終わったのならば、始まるだけ。ここに新たな事態が幕を開けていくのが今巻である。

 

 

魔神との戦いを何度も繰り返したジェイドが「複合スキル」という新たな力の扉を開き、その頼もしさにアリナも安心し。一つの大きな事態が収束したが故か、久方ぶりに穏やかな時間は訪れ、アリナにとっても嬉しい時間が訪れる。

 

 が、しかし。落ち着いた時間は長くは続かなかった。折しも時節は四年に一度の「闘技大会」。受付嬢にとっては地獄の業務となる為に絶対になりたくない担当に、運悪くアリナが認定されてしまったのである。

 

マニュアルもない、引継ぎもたった三行のみ。そして冒険者たちは相変わらず脳筋のアホばかり。ジェイドと額を突き合わせ、時に口から呪詛めいた呟きを漏らしながら。必死に励んでいくアリナ。

 

 だが、更なるアクシデントはすぐそこに来ていた。優勝景品である純遺物の像に八つ当たりしたら壊してしまい、何とか誤魔化す為にアリナもジェイド達に協力し闘技大会で優勝を目指す事となる。しかし、それだけではない。何やら不穏な事態と謎への接近が、アリナたちの知らぬ所で進んでいる。

 

大草原で起こる魔物の異常発生、ここ最近何故か続く裏クエストの発見。グレンがその裏で糸を引く黒幕として目を付けたのは、十数年前に失踪した四代目の「大賢者」。その情報を求め、グレンは「闇ギルド」を単身で訪れ。しかし闇ギルドのマスターである好々爺、ゼファが知っていたのはその失踪に闇ギルドが関わったと言う事、そして十年前に辺境で冒険者として死んだらしいと言う事実のみ。

 

 そして今、「闇ギルド」は揺れている。そのギルドに関わりのある者が一人、すぐ近くにいた。ジェイドの仲間、ロウである。そして闘技大会の最中、ロウの知り合いである闇ギルドの暗殺者、ガルドが牙を剥く。

 

裏クエストを巻き起こし、目覚めさせられた魔神が告げる衝撃の真実。その力を取り込み、暴走せずにガルドは牙を剥き、闘技大会の中で暴れ回る。

 

それを止める為に、自身の秘密を明かす事も厭わずロウが力を尽くし、ジェイドもまた傷つきながらも戦いに身を投じる。

 

「―――なにも知らないくせに」

 

 そして、魔神の横暴を許すアリナではなく。ジェイドを馬鹿にされたという怒りを胸に、彼女は怒りと共に鉄槌を下す。

 

その先、全てを終わらせた先で。明かされるのは「大賢者」の偽名。それはすべての始まりとなった、あの名前。

 

果たしてその名が持つ意味とは。この事態の裏、糸を引く「あの方」とはまさか「彼」なのか。

 

新たな謎が走り出す今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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