読書感想:魔王と竜王に育てられた少年は学園生活を無双するようです2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:魔王と竜王に育てられた少年は学園生活を無双するようです 1 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

「思いだけでも、力だけでも」 それは果たして誰が言った台詞であっただろうか。だが、それは確かである。思いだけでは力が無く、力だけでは思いがない。大きな力を振るうのであれば、それを振るうだけの思いは必要となる。

 

それこそが、この作品の主人公であるルイシャが掴まなければならないもの。確かに彼は「魔竜士」と呼ばれる最強の力を持っている。だが覚悟はどうか。確かに彼は優しい。その優しさは強さだ。だが、優しさだけでは生き残れない。なればこそ、覚悟が求められるのだ。力を振るい、人を殺めてでも目的を為す覚悟が。

 

同時に、魔王と竜王の解放を目指すルイシャに足りないもの。それは人数の力。目的が目的であるが故に秘密にしなければならぬが、彼だけではどうしても手が足りぬ。

 

「無茶を承知でお願いがあります。ルイシャ殿、どうか私たちを貴方様の僕にしてくださいませぬか」

 

そんな彼は、今まで唯一仲良くなれなかった級友であり、魔王を三百年間探し続けてきた魔族、吸血鬼陣営の一人であったアイリス(表紙左)の襲撃を切っ掛けに、吸血鬼たちを配下に加え、人手を増やす事に成功すると共に、強力な仲間を手に入れる。

 

 彼を今巻で待っているもの、それは級友達との初めてのダンジョン探索。そして、ある哀しき理由から王子暗殺を企て学園に講師としてやってきた男、コジロウとの死闘。

 

「大丈夫、僕がついてる」

 

初めてのダンジョンで利用しようとしてきた冒険者達に圧倒的な力を見せつけ、心底から魅了させる中、シャロと共に転移させられた謎の空間で勇者の秘密を知り。

 

「感謝しますよコジロウさん、僕はあなたのおかげで戦いの恐ろしさを、本当の覚悟を知ることが出来ました」

 

王子を傷つけたコジロウとの死闘の中、大切な人を守る為の「覚悟」に目覚め、真の意味での戦いへの決意を胸にリオから受け継いだ竜の瞳を覚醒させる。

 

 最強の力を得ても尚、ひたむきに努力し成長するルイシャ。彼の行いと生き方が、更に人々を魅了し、彼を中心に更に輪は広がりを見せる。

 

「聞いてたよねみんな。手を貸してくれるよね」

 

気付いているだろうか。彼はもう、皆のリーダーとして信頼され、認められているのだ。彼が行くと決めたのならば、即座に皆、付いてきてくれるほどに。

 

「ふふん。私は日々成長してるのよ。いつか気功術もマスターしてみせるわ」

 

そして、彼に負けじとシャロも努力を重ね、変革し、成長していく。彼の隣に立てる者として。彼の非常事態に、その心を支え守れる者として。

 

 さて、世界に謎の糸は網となって投げられ広がった。ルイシャの幼馴染であるエレナも不穏な動きを見せだした。世界は今、一歩大きく広がった。なればこの先、何が待っているのか。

 

前巻を楽しまれた読者様、やはり王道ファンタジーが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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