読書感想:KADOKAWAライトノベルEXPO2020 公式記念本 サクラ コラボレーション!

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は三月初めの土日にyoutubeでステージも開かれ、様々なライトノベルのアニメ化が公表され大好評を博した、KADOKAWAライトノベルEXPO2020、通称らのすぽをご存じであろうか。ご存じである読者様は、どのニュースに一番驚かれただろうか。私は個人的には、はたらく魔王さま!の再びのアニメ化に一番驚いた次第である。

 

そのらのすぽの公式記念本がこの本であり、スニーカー文庫からファンタジア文庫に至るまで、五レーベルからたくさんの作品が集結し、「桜」をテーマにした特別掌編から記念イラスト、更にはレーベルを横断した作者繋がりの作品同士のコラボや声優さんへのインタビューまでが収録された、豪華な一冊である。現在入手困難であるが、私は幸運にも入手できたので、この一冊に収録されている特別掌編の中から、このブログで記事にした作品から何本かピックアップし、その感想をお伝えしたいと思う。

 

・古き掟の魔法騎士×ロクでなし魔術師と禁忌教典 「愛しの教官対決」

 

作者である羊太郎先生繋がりのコラボ掌編となる作品。舞台は古き掟の魔法騎士の世界にシスティーナとルミアが遊びに来ていると言う設定である。

 

「これは・・・・・・証明するしかないですね」

「そうですね」

 

最初はお互いの先生の愚痴を語り合い意気投合、けれどお互いの先生を意図せずして貶された事から張り合うシスティーナとテンコ、脇で見守りながらお互いに苦笑を交わすルミアとアルヴィン。似た者同士の二組の会話劇に相好が緩むであろう掌編である。

 

・むすぶと本。 ~桜色の恋人と、甘い甘い桜餅

 

むすぶと本。シリーズは単独掌編が掲載されており、むすぶと恋人である夜長姫のお花見デートが綴られる掌編となっている。

 

「満開の桜の下で花びらにまみれて、夜長姫をぎゅーっと抱きしめて、頬をそっと押しつけているみたいな味がするよ」

 

サクラの花と葉っぱのように。お互いに色を合わせて桜並木の下を歩き、桜餅に文学的な感想を述べて夜長姫がときめいて。何でもない、けれど特別な二人きりの甘い時間に悶絶する掌編。

 

・声優ラジオのウラオモテ 見られちゃダメな、いい写真

 

「・・・・・・偶然です。こんなおさるさんと同じ格好だなんて、おぞましいくらいです」

 

「あたしだって、あんたみたいな根暗女とセンス被ったのは一生の恥だわ。切腹しようかな」

 

この二人は本当にもう(苦笑)

 

まだ二人がラジオでは仲が悪い様子を隠していた頃のお話。偶々私服が被っただけですぐに喧嘩になってしまう。けれどやっぱり息があっている。そんな二人が記念本でも変わらぬことに安心できる掌編である。

 

・わたし以外とのラブコメは許さないんだからね 桜色の告白は永遠に

 

「―――わたしだって、希墨以外ありえないから」

 

希墨とヨルカが桜並木の下でデートしながら、告白した時を思い返す掌編。当たり前の日常が当たり前のように続く、それが愛おしい。本編の甘さをこれでもかと、一ページに凝縮した、本編の読者様であればきっとお楽しみいただける掌編である。

 

・あの日、神様に願ったことはIF いつかの春に

 

「幸せを捕まえたの。もうずっと離さないから」

 

いやもう、このお話は本編で絶対見たかった(泣)

 

もしもの話、燈華と叶羽が結ばれた、全てが終わった後の未来、二人で歩いていくお話。願い事を叶え、その先へ二人で。なんでもない日々を、ずっと二人で歩いていく。そんな当たり前の尊さが心に突き刺さって温めてくれる掌編である。

 

以上、感想でした。興味を持たれた読者様は、是非に何とかして入手してみてください。