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読書感想:処刑フラグの悪役貴族に転生したが、死にたくないので闇魔法を極めてヒロインたちを救います1 病弱なヒロインをケアしたらなぜか俺が溺愛された件 - 読樹庵
さて、前巻で「エイレーネの五大聖騎士」の世界に転生してしまった悪役貴族、ディアボロであるが。前巻で既に本来の主人公、フォルトからの交代劇は済んでおり、彼を主人公として異なる歴史が始まった訳であるが。ディアボロが色々とやらかした過去は消えない訳で。フォルトの行方を追いつつ、過去に遺した悪逆の後始末をするのが今巻なのだ。
「もちろん、やらせてもらいます。全身全霊をかけて」
「謎の襲撃者に気をつけてください」
前巻、フェイクルに連れられ脱走したフォルトは、魔王の復活を目論む新興組織、「魔族教会」の隠れ家に辿り着き、「導き手」として祭り上げられる事に。それはまだ知らぬディアボロは、ギルドで行方不明者捜索の仕事を受けた後、冒険者を襲撃し金品を奪っていく謎の襲撃者の話を教えられて。それが自身の断罪フラグの一つ、冒険者を憎む貧民街の少女、クリスの仕業であると勘付き、病気に伏せるクリスの母親を治療、更には貧民街も救済して断罪フラグを一つ潰して。
そんな中、教師たちからフォルトの脱走を伝えられフェイクルという原作には登場しない人物の名を知り。一先ず魔族教会の隠れ家に行ってみるも、一足遅くもぬけの殻。捜索は大人に任せ、本分である勉強へ戻る。
「まだ子供だったとはいえ、俺はそれこそ馬鹿で戯けでした」
雪山での演習、更には他校と合同の古代遺跡探索。その中で鉢合わせになったのは貴族令嬢であり、ディアボロの過去の愚行のせいで視力を失ったモニカ。今更ながら、きちんと謝罪して闇の回復魔法で視力も戻して。古代遺跡のボス相手の共闘で、絆を取り戻すことに。
その最中、動き出す魔王教会。狙うのは南の大都市の闇オークションに出品される魔王の血液。動きを読んで待ち構え、襲撃の場に居合わせるも、魔王の血液は守り切るもフォルトとフェイクルは捕まえられず。更に祭りの場へと襲い来るのは魔物の群れ。
「あなたは度重なる悪行により、心の底まで悪に染まりました」
その襲撃自体は皆の力を合わせて乗り切ることは叶うも、その裏で。世界の意志、らしき声から声をかけられたディアボロが決意を新たにする裏、魔王の血液の代わりにフォルトを生贄にする事で、魔王の復活は始まってしまう。それがフェイクルの望みを叶える、と言う事は誰も知らずに。
前巻よりも世界が深まる中、決戦の予感深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。