読書感想:神の試練で最強になった凡人当主、災厄前の世界に帰還して無双する1

 

 陰陽師と言うと安倍晴明、そう連想される読者様も多いかもしれない。しかしラノベにおいて陰陽師もの、と言うと東京レイヴンズであったり、凡人転生の努力無双であったり。魔法ものに比べて中々見ない気がするのは私だけだろうか。では何故見ないのだろうか。魔法でいいじゃん、という事になるからだろうか。その答えは私には想像はつかないが。この作品において使われるのは魔術、そして陰陽術である。

 

 

そして、この作品の作者様である奉先生はどんな作風を得意とされているか、と言うと。読んだことの在られる読者様であればご存じであろう。圧倒的なバトル、中二病。そんな十八番を混ぜつつ、やり直しもの、という要素を混ぜたのがこの作品なのだ。

 

魔物を生み出す瘴気、それに対し陰陽師たちが対処する世界。陰陽師の宗家である九頭竜家の唯一の生き残りである少年、八幡(表紙中央)。大規模災厄、瘴気氾濫で記憶と魔力を無くし、名門家の一つ、土御門家に引き取られ。義妹である愛沙(表紙右)や義母である千寿と穏やかな時を過ごすも、未曽有の魔物大発生災害により家族も亡くし。

 

「やっと・・・・・・やっと帰ってきた」

 

自身も何者かにより瘴気の狭間へ突き落され約六年。常世、と呼ぶべき世界で生き抜いてきた八幡は、何者かにより幾つもの試練を課されその全てを越えて見せた事で。帰ってきた、家族を失う事件の少し前に。その身に、失われた筈の武闘、九頭竜家の武術と失くした筈の魔力を携えて。

 

早速再会したのは、愛沙や婚約者である絵理奈(表紙左)。望んでいた再会、しかしこのままでは変わらない。だからこそ未来を覆すために。世の中は魔力の関係上、女性有利。そして自身は、陰陽庁のトップと言えど、それはお飾りの立場。

 

「緊急事態宣言を発令する」

 

が、しかし。お飾り当主、魔力を持たず闘えぬ筈の役立たず、である筈の八幡は、迫る災厄、それを起こすはずのテロリスト、「原初の異邦人」との戦いの中、愛沙や絵理奈に少しずつ認識を改めさせ始め。堂々とした振る舞いの中、そこに当主としての風格が宿り始め。一周目とは違う、トップとしての振る舞いが、今度は入念な準備に繋がっていく。

 

その前、巻き起こるのはあの災厄。落とされてはならぬ王駒であるからこそ八幡は戦場には出れず。しかし強権を出してごり押し、何とか愛沙達が苦戦する戦場へ駆けつけて。己を突き落とした者と決着をつけ。そして邪道な技を使う者との戦いへ。

 

「だから、手加減はできない」

 

戦いの中、見せるのは。常世の中、戦い続け身に着けた力。奪い取り身に着けた王の力。古く遠き世の中、失われてしまった筈の、希望となる力。正に王が如き力を見せつけて。あの日の災厄を乗り越えていくのだ。

 

圧倒的な中二、熱いバトルが始まっていく今作品。熱さを楽しみたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

神の試練で最強になった凡人当主、災厄前の世界に帰還して無双する 1 (オーバーラップ文庫) | 奉, Genyaky |本 | 通販 | Amazon