
前巻感想はこちら↓
読書感想:彼女をデレさせる方法を、将来結婚する俺だけが知っている - 読樹庵
さて前巻で始まった正修により将来の嫁、由姫の青春リライト。正修は将来の嫁、である由姫に真っ直ぐ首ったけ。今は未だツンデレな由姫は、しかし内心はかなりデレデレ、というのは前巻までを読まれている読者様であればお分かりであろう。しかし、ここでふと思い出してほしい。正修は本来、七芒学園に通っている訳ではない、本来の歴史では。するとどういう事なのか。つまりは本来の周りとの関係は生まれず、新たな関係が構築され始めると言う事なのだ。
「もしかして、まさやんっすか?」
お祭りも終わりホッと一息なある日、帰り道。出会った少女に呼ばれたのは小学生時代の懐かしき名。その名を呼んできたのは、幼馴染みであるカエデ。話を聞いてみればどうも彼女、母親の再婚で大阪の方に引っ越したが義父の転勤で東京に戻ってきて、しかも今は演劇のプロ。そして舞台の延期関係で高校入学から一か月休学していた、という事。明けて日、何とカエデは今まで休学していた学園三席と判明、更には担任に騙され生徒会へ入ってくる。
「なんとかしないと・・・・・・なんとかしないと・・・・・・」
「私がもし兄さんを超えるくらい優秀になれば、アリスコアを継いでもいいよね」
さて、先に断っておくとカエデに正修への恋愛感情は現状、ない。しかし由姫と仲良くなりたいが故に恋敵を演じるカエデ、その正修との幼馴染ゆえの気安さに由姫の心はこれでもかと揺さぶられ。優位性を見せつける為、正修と新たなパソコンを買いに行くという名目でお出かけしたり。更には、彼にいい意味で影響されたのか。親に扱われる道具、ではなく自分自身として。本来の未来で起きた会社の奪取、の未来へのルートを自分自身で開き始める。
そんな中、テストで正修と由姫が対決したらカエデに横から持っていかれる、という事態も発生したりもしつつ波乱の芽。小悪党に合成写真を撮られ強請られることに。
「駄目だ。俺に任せろ」
・・・・・・しかしまぁ皆様もお分かりであろう。由姫を泣かせる、という事が正修の逆鱗をこれでもか、と踏み抜く行為ということくらい。泣かせたという事は殲滅あるのみ。外道な方法を取られるのなら、こちらもそれ相応の手を。完膚なきまでに叩き潰す一手を取って、事態をあっさり解決に導き。
「今は告白しない。次に告白する時、それはお前がOKする時だ」
その先に自分から、告白への前振りを放つ。彼女がいつか自分の意思で親の呪縛を解き放って自由に恋愛できるようになる時まで、と。新たな未来へのルートを開いていくのだ。
更に面白さ高まり甘さ深まる今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 彼女をデレさせる方法を、将来結婚する俺だけが知っている2 (GA文庫) : 中村ヒロ, ゆがー: 本