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読書感想:陰キャだった俺の青春リベンジ6 天使すぎるあの娘と歩むReライフ - 読樹庵
さて、前巻で本来の時間軸の春華も救い完膚なきまでのハッピーエンドを迎えた心一郎と春華であるが。前巻で本編は完結、ならば今巻は蛇足と言うべきか。否、それは間違いと言えよう。この巻では本編時間軸のちょっとした隙間の出来事、そして大学生、社会人と進むちょっとしたアフターストーリーを描いているのである。
「いいからはよ付き合えっての・・・・・・!」
(責任取りなよ兄貴。こんなにも天使な春華ちゃんを、ここまでベタ惚れにさせたんだからさ)
本編の時間軸、時に夏、時に文化祭後。心一郎がひょんな事から酔ってしまったりというドタバタもあったりしつつ、あの時春華は何を思っていたのか、という裏も明かされて。 段々深まる思いが周囲にバレバレな程の甘さを齎す事になり。クラスメイトに呆れられたり、妹である香奈子に内心で応援されたり。様々な思いがそこにあって。
「始めよう。俺たちの青春リベンジをさ」
本来の時間軸、あったかもしれない未来。今更遅いかもしれない、きっとそんな事はないと始める青春リベンジ。本編の救われる時間軸からは大分遅れてしまったかもしれないけれど、それでもそちらでも始まる幸せへの道。
「好きな人と一緒にいる時間を・・・・・・大切にしたいんです」
そして本編の時間軸のその後、大学生となって。春華を狙って押し寄せたサークル勧誘の男子たちの脳を軒並み破壊したりしつつ、一人暮らしを始めた部屋で半同棲、みたいな生活をして。
「それは、少々おかしい話ではないでしょうか?」
彼の前、立ち塞がるのは最後の試練。当主である秋重に認められなければ、真の意味で全員で幸せになる事は叶わぬ。 真っ直ぐに向き合い、ナンバー2である時宗を味方につけて、自分の思いを余さず話して。
「私たちの家族が、また次の家族を作っていくことに」
引き出す承認。いがみ合っていたはずの時宗と秋重は、同じ親と言う立場、家族と言う立場で春華の幸せへの門出を喜んで。
「私も愛しています―――心一郎君」
そして、幾年後かの未来。千秋楽書店に入社した心一郎は、春華との間に一人娘である咲楽を設けて。二人が三人になって、ずっと幸せが続く限りない未来、終わらない明日へと歩き出していくのだ。
その背を見送って、万感の思いがわいてきて。そして、笑顔でさよならを言えて。正に完全無欠なハッピーエンド、最後まで皆様も是非。
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