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読書感想:クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。8 - 読樹庵
さて、原作をここまで読んできてからアニメ第一話を見直してみると、この二人ってこうだったなぁとちょっと感慨深い気持ちになる訳であるが。前巻、不意に訪れた離婚騒動を乗り越えた事で更に絆も深まった才人と朱音であるが。いよいよ求められるのは、その感情の答え。その気持ちに答えを、感情に名前を。いよいよ答え合わせの時が来るのが今巻なのである。
「女の子として私のことを好きかって、聞いているの」
「才人くん・・・・・・朱音のこと、意識しちゃってるでしょ」
しかしまぁ、通じ合ったように見えてこの二人、まだまだ面倒くさい。才人の中、芽生えた意識は素直に出せなくとも、朱音の事を意識すると言う結果を招き。朱音も朱音で、才人の気持ちを知りたいからとドキドキさせようと、ぐいぐいと来たりして。今までとは違う意味、しかし最大の意味でのドキドキを。陽鞠に指摘されるほどには、ぐらぐらして。その中でも朱音は愛妻弁当と言うカードを繰り出して来たり、今までよりも素直になってみたり。
「ちょっと・・・・・・アイツの気持ちが分からなくてな」
「いいんだよ、悪役で」
その最中、再びの波乱が。朱音がとある筋から聞き出した、才人の初恋の相手。その相手に恋している、という事を知り、自分の入り込む余地はないのでは、と考えてしまい。才人から話を聞いた糸青が黒幕を許したりしている裏、朱音は陽鞠から背を押され。才人は朱音を連れ、プロポーズの為にレストランへ。
「私は、あんたが好き。あんたがどんなに自分を嫌いでも、私があんたを愛している」
「仕返しに、これからとことん愛し抜いてあげるんだから・・・・・・覚悟しなさいよね!」
その場で才人が心から絞り出すのは、自分の醜い本心。エゴに汚れた自分と言う素顔。だけど朱音はその彼を愛すると真っ直ぐに告げ。その先に、実は才人の初恋の相手とは朱音であったと判明し。ようやく答え合わせも出来て、そもそも最初から両想いだった、という微笑ましいボタンの掛け違えも判明し。ようやく二人の想いが、本当の意味で繋がるのである。
九巻かけて、ようやくここまで辿り着いた。すれ違ってばかり、ぶつかってばかりだったけれど、やっと向き合って、手を繋ぐことが出来た。だからこそ我々読者も一安心。もどかしさと不器用さを越えた先に、ようやくたどり着けたのである。
いよいよ全ての心配も無くなった筈、な今巻。次巻、いよいよ大団円となるのか。注目してみていきたい。
Amazon.co.jp: クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。9 (MF文庫J) : 天乃 聖樹, 成海 七海, もすこんぶ, もすこんぶ: 本