読書感想:魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?1

 

 さてこちらの作品は去年無事にアニメも放映され、今や累計250万部を突破した、という押しも押されぬ金字塔、HJ文庫の屋台骨を支える作品の一つと化している訳であるが。今回はHJ文庫様よりレビュアープログラムにてこの作品を入手したので折角であるし、この作品を紹介していきたい。

 

 

ではこの作品がどういう作品なのか、と言うとであるが。最早語らずとも、ご存じと言う方は画面の前には多いであろう。しかしまだ知らないと言う方もおられるかもしれない。という訳でこの作品がどういう作品かと言うと、だが。巷では悪の魔術師として恐れられる魔術師、ザガン(表紙左)と彼に買われたエルフの奴隷、ネフィ(表紙右)のもどかしいラブコメなのである。

 

魔術師とは生涯をかけて魔術を研究し、人を超えることを目指すもの。まず名乗る為には、己の肉体の操作の果てに病や寿命からも縁遠い存在になってから。そして魔術を極めた者は、魔王と呼ばれる世界で。とある魔術師に生贄として攫われるも逆にその魔術師を排除、全てを奪い。その領地を受け継ぎ、領地に迷い込んできた賊を狩りつつM術研究に励む日々。

 

「ずっと欲しかったものがあるんだ。だがそれがなんなのかわからなかった。やっと、それを見つけた気がするんだ」

 

 

そんなある日、悪友であるバルバロスから齎されたのは死んだ魔王の遺産のオークションが開催されるという事。その支配地域であった町で行われるオークションで出品されたのがネフィ。一目見た途端、ザガンは人生初の一目惚れをし。気が付けば全財産をはたいてネフィを落札していた。

 

「ああ、お前が必要だ。だからまずは俺のために生きろ」

 

しかし二人での暮らしが始まって早々、噛み合わない。ザガンは露悪的な言い方しか出来ないし、ネフィは自分の思いを口にするのが難しく。その中でも共に、不器用に歩み寄ろうとする中。巷を賑わす殺人事件にザガンが関係あると疑われ、かつてザガンに救われた聖騎士、シャスティルの率いる部隊に襲撃され。シャスティルに追い込まれるも何とか助けられようとする中、殺されそうになっている彼を目撃したネフィが、「魔法」と呼ばれる力を暴走させる。

 

その力は大きくとも、制御できぬ力。何とかするためにネフィへ魔術を教え始める中、届いたのは魔王からの呼び出し。ザガンは十三人目の魔王として認められ、垣間見た世界に巻き込みたくないからとネフィを突き放そうとし。だがその隙を突き黒幕に、ネフィとシャスティルが浚われてしまう。

 

「ネフィは俺のものだ。そのネフィに手を出した馬鹿は血祭りに上げないとな」

 

居なくなって改めて分かる、彼女の大切さ。ならばやるべきことは取り戻す事のみ。彼女の元に駆け付け解放するのは、魔王となった彼だけの魔法。しかしその後、ネフィを生贄に呼び出すはずだった存在は、何故かザガンに隷属する。彼の手に宿る魔王の証に。

 

真っ直ぐに王道、そして甘く。王道に重しい作品を見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 1 (HJ文庫) | 手島史詞, COMTA |本 | 通販 | Amazon