
さて、この世には解釈違いという言葉があり、我々ファンという名の受け取り手側を時に傷つけている訳であるが。ふと思うに、解釈違いとは何で起きてしまうのだろう? 何が原因なのか? それは個々人の解釈、そこに混じる願いと現実が異なる、からなのかもしれぬ。こうあってほしい、きっとこう。そういう解釈、その中の願い。しかし公式の解釈という答えは違うからこそ、解釈違いというのは起きてしまうのではないだろうか。
そう言う意味ではこの作品の主人公、壮真(表紙左から二人目)は願い過ぎ、夢の見過ぎと言ってしまっても、仕方ないのかもしれぬ。身もふたもなく言ってしまえばそういう事、なのだろうか。夢を見て理想も見出し過ぎているからこそ悩む、この作品はそう言う作品なのだ。
「尊い・・・・・・!」
最近共学になった元女学校、私立百合ノ宮高等学校。最近まで女子校だったからか、女子同士のスキンシップは距離が近く。そんな光景が、元々百合好きな彼からすれば尊みに過ぎる光景。
「強引に話へ割り込んでいくなよ。三人とも嫌がってただろ?」
「うーん。チャンスがあったら、もっと仲良くなりたいなー」
そんな彼の最近の推しは、恋花(表紙右端)、栞(表紙右から二人目)、兎亜(表紙左端)の三人。彼女達の絆を護る為、間に入り込もうとする男子は裏で排除・・・・・・かと思いきや三人にはバレていた。そして壮真自身はまだ気づいていなかった。そもそもこの三人、別に百合でも何でもないと言う事。それどころか助けられている事で壮真に三人それぞれ好意を抱きつつある、という事を。
「うわ、鈍感・・・・・・。引くわぁ・・・・・・」
それに気づいていない壮真に、友人である稔は呆れた目を向け。
「今のままの恋花さんを見ていたいんだ!」
「だって栞さん、口下手なだけで本当は誰よりも優しいでしょ」
しかし自身のスタンスを崩さぬ壮真は、彼女達を護り、どころか彼女達のメンタルケアまでこなし。そりゃ惚れられるよね、という事でどんどんと惚れられていく。
それを自覚する事もあって、彼女達からの好感度を下げるべく逆に気を抜こうとして。しかし結局、それが出来ず好感度は下がらずに。
「二人とも、誤解しすぎだよ」
更に彼女達が困っている時は、誤解からすれ違おうとしている時は助けるのを止めない。自分の解釈、よく見ているからこその正しい見え方から見たそれで諭して。彼女達の絆をまた纏めていく。
そして、壮真は百合好きであっても決して鈍感、という訳ではない。彼女達からの思いに否応なく気づきつつある。だからこそ自分の好き、と解釈との間の板挟みで悩んでいくのだ。
板挟みに揺れる思いとドタバタの中に、ヒロインの可愛さ光るこの作品。色々な意味で可愛い主人公と真っ直ぐに可愛いヒロインを見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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