
さて、時に画面の前の読者の皆様。皆様は所謂「裏の顔」、というものはお持ちであろうか。私は裏の顔、と言えるのかは知らないがとあるTCGのカジュアルプレイヤーであり、pixivにてとあるジャンルにて二次創作をしているくらいの顔はある。だがそれはこのブログ上やXにおいては全く出していないので多分、ご存じという方もおられないだろう。こういう平和な裏の顔ならまだいいのだが、危険な裏の顔というのはあってほしくもないものである。
という訳でこの作品は、そんな「裏の顔」を持つ子供たちが「自分らしくあれる居場所」を守るために徒党を組み尽力するお話であり。ヒロイン達が見せてくれるギャップが見どころである物語である。
今年から共学化した、というどこぞの結姫女子学園かとツッコミの声が出そうな白波学園。この学園に入学した主人公、雪丸が早々に出会ったのは、なつめ(表紙)という男子が女子複数に冤罪をかけられている現場。放っておけずその場に乱入、監視カメラを指摘して追い払ったら、なつめに懐かれ共に行動する事に。
「ほ、ホック壊れた!?」
まるで懐いてくる犬かのように、友人という関係にこだわるかのようななつめ。程なくしちょっとしたアクシデントで知るのは、実はなつめは女の子であり。入院していた母親が帰ってくるまでは父親と兄たちの男所帯で過ごした為、男の子っぽく。そんな父親から離れる為に、この学園に半ば家出状態で入学したという事。
「なつめ、俺の操り人形になってくれないか」
そこで雪丸が提案したのは、彼の操り人形、スケープゴートにならないか、というもの。一部生徒に共学化への根強い反対があり非合法の有志サークルによる活動も行われているこの学園で、初めての男子生徒会長を目指すという雪丸。その為に共学化反対の運動を潰したい、という彼になつめは喜んで賛同し。二人の活動がこっそり始まる事に。
「そういうことなら、なるよ。ナツメたちの仲間に」
「その活動、ぜひ私にも手伝わせて頂戴!」
まずすべきは、生徒たちの意識調査。次に有志サークルの内部調査。その中で知るのは、交友関係の広いギャル、影美が実は女児アニメ大好きなオタクであり、お嬢様として慕われる生徒会役員、市花が実は街の定食屋の看板娘であり全くお嬢様でもない、という事。外部進学生でもなく内部生でもある彼女たちは別に反対派でもない、という事。推理を繋ぎ合わせあぶり出された黒幕、有志サークルの代表者たる嫌味な風紀委員、水雲。 早速対応に動こうとする中、なつめが罠に嵌められ校内新聞で晒されてしまう。
「ここはリーダーとして、皆の前でビシッと一席ぶってやれ」
「だから、いいんですよ。俺は裏方で」
だがそれを雪丸は利用、保険を使って、なつめの演説もあって逆に有志サークルを解散に追い込んで。その後、ヒロイン達の知らぬ所で理事長、であり祖父との再会の中で明かされるのは雪丸の裏の顔。祖父と対立する父の元で通わされていた学校から祖父に救われこの学校に来た、という事。
「お前はその一歩を既に踏み出しておる」
「この学園はもう、俺にとっても―――失くしたくない居場所、ですから」
祖父は願う、雪丸にアオハルを過ごしてほしいと。既にその一歩を踏み出している雪丸は改めて決意する、この学園を守る事を。そして日々は続いていくのだ。
ギャップのある彼女達と過ごしながら、居場所を守るために戦うこの作品。ギャップのあるヒロインが好きな方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
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